コラム
シダーウッドはどのような香り?効果・効能からシーン別のおすすめの使い方まで解説

まるで深い森の中にいるような、心を落ち着かせてくれるウッディな香りが「シダーウッド」の魅力です。「名前は聞いたことがあるけど、実際どのような香りなの?」、「種類がいっぱいあってどれを選べばいいかわからない」という方も多いのではないでしょうか。
実はシダーウッドには、リラックス効果が期待できるだけでなく、安眠や空間演出にも優れたパワーが秘められています。今回は、そんなシダーウッドの香りの特徴や期待できる効果、そして日常に取り入れるためのおすすめの使い方まで紹介します。
Index
シダーウッドはどのような香り?
シダーウッドは、その名の通り「杉(シダー)」や針葉樹から抽出される精油で、森林浴をしているかのような清涼感と、樹木の温かみをあわせ持っています。甘さは控えめで、ドライでスパイシーなニュアンスも感じられるため、男女問わず好まれる香りです。
香水の世界では「ベースノート」として使われやすく、香りに深みや持続性を与える役割を果たしています。また、時間が経つにつれて香りはまろやかになり、心を鎮めるような落ち着いた印象へと変化していくのも特徴の1つです。
主な種類は2つ
一口にシダーウッドといっても、植物学的にはまったく異なる2つの種類が主流として流通しています。1つはマツ科に属する「シダーウッド・アトラス」で、モロッコなどのアトラス山脈が原産です。このアトラス種は、ウッディな中にも少し甘みを含んだ温かみのある香りが特徴で、リラクゼーションや瞑想の場面でよく好まれます。
もう1つはヒノキ科に属する「シダーウッド・バージニア」で、こちらはアメリカが原産です。バージニア種は、鉛筆の削りかすにも例えられるような、よりドライでシャープな木の香りが際立っています。
参照:シダーウッド オイル アトラスとシダーウッド オイル バージニアンの違いは何ですか?
シダーウッドの香りの効果・効能

シダーウッドの香りには、心と体の両面に良い影響を与える可能性が示唆されています。ただし、現段階では小規模な研究が中心であり、医薬品のように明確な治療効果を謳えるものではありません。あくまでも「期待できる効果」ですが、いくつかの興味深い研究結果を紹介します。
参照:シダーウッド精油
ラットおよびB6C3F1/Nマウスに経皮投与したシダーウッドオイル(バージニア州)(CASRN 8000-27-9)の毒性研究に関するNTP技術レポート
リラックス
シダーウッドに含まれる「セドロール」という成分には、自律神経に働きかける力が期待されています。26人の健康な人を対象に行われた実験では、セドロールの香りを嗅いだ被験者は、嗅いでいないときと比べて収縮期血圧や拡張期血圧が低下し、心拍数も減少するという結果が出ています。
同実験では、呼吸数も減少し、心拍変動の解析からは副交感神経の活動も高まっています。体が休息モードに入り、リラックスに導かれている状態を意味しており、緊張をほぐしたいときにぴったりの香りといえそうです。
参照:セドロールの天然香料をヒトに吸入させた際の自律神経反応
安眠
シダーウッドの香りは、質の高い睡眠をサポートする可能性についても研究があります。ラット(ネズミ)を使った実験では、シダーウッドの主成分であるセドロールの吸入によって、自発的な運動量が減少して落ち着きを見せる結果が確認されました。
加えて、睡眠導入剤を使用した際の睡眠時間が、セドロールを嗅がせると延長されたという結果も報告されています。この研究からみれば、寝つきが悪い夜や、深く眠りたいときに、枕元で香らせてみる価値は十分にあります。
ストレス軽減
ほかの研究では、拘束されてストレスを受けた状態のラットにセドロールの香りを嗅がせる実験が行われました。通常、強いストレスを感じると脳内のドーパミンといった興奮物質を分泌するものですが、セドロールの香りはこの代謝の変化を抑制する働きを見せています。
つまり、脳内の興奮を鎮め、ストレスによる動揺を和らげてくれる可能性があるわけです。イライラしてしまったときに、シダーウッドの香りが心の平穏を取り戻す手助けをしてくれるかもしれません。
参照:天然香料「セドロール」が拘束ラットの視床下部外側野におけるドーパミン代謝に及ぼす影響
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日常で楽しむシダーウッドの使い方

シダーウッドの香りは主張しすぎないため、日常のあらゆるシーンに自然に溶け込みます。ライフスタイルに合わせて取り入れてみてはいかがでしょうか。
芳香浴(ディフューザー)
シダーウッドの香りを使うもっとも手軽なのが、アロマディフューザーを使ってお部屋に香りを広げる方法です。リビングや寝室で焚けば、まるで自宅にいながら森林浴をしているような清々しい空間に早変わりします。
就寝前の1〜2時間くらいから寝室で香らせておくと、部屋全体が穏やかな空気に包まれます。シダーウッド単体でも良いですが、柑橘系とブレンドするとより爽やかに、ラベンダーと合わせるとより深いリラックス空間を作りやすくなります。
アロマバス・マッサージオイル
シダーウッドの香りは、浴槽に数滴垂らしてアロマバスにすれば、湯気とともに立ち上るウッディな香りに包まれ、心身ともに深くリラックスできます。また、ホホバオイルなどのキャリアオイルに混ぜてマッサージオイルとして使うのもおすすめです。
足のむくみが気になるときや、肩の力が抜けないときに、香りを楽しみながら優しくマッサージしながら香りを楽しむのもまた格別です。なお、肌に使う場合は必ず希釈し、パッチテストを行うなど注意して使用してください。
デスク・プレゼンの前
仕事や勉強に集中したいときや、大切なプレゼン前で緊張しているときにもシダーウッドの香りが役立ちます。ハンカチやティッシュに1滴落としてデスクの隅に置いたり、さりげなく香りを嗅いだりするだけで、心がスッと落ち着くのを感じられるはずです。
シダーウッドに期待できる鎮静作用は、焦る気持ちを抑えて平常心を取り戻すのにも取り入れやすいものです。周囲に香りを広げすぎず、自分だけの「お守りアロマ」として活用できるのも嬉しいポイントです。
ポストカード・名刺
シダーウッドの香りは、相手に「信頼感」や「誠実さ」といった良い印象を与えたい際にも採用できます。実は男性用香水のベースノートとしても頻繁に使われており、甘すぎず落ち着いた知的な雰囲気を演出します。
「仕事ができそうな落ち着いた人だな」、「センスが良いな」という良い印象を持ってくれるかもしれませんので、ビジネスシーンでのさりげない自己演出に活用してみてはいかがでしょうか。
ブランドセント
お店やオフィスの空間演出として、シダーウッドの香りを採用するケースも少しずつ増えています。アパレルショップや高級ホテルのロビー、ショールームなどで、「あ、ここのお店いい匂いがする」と感じた経験はないでしょうか。
そうした場合、ベースの香りとしてシダーウッドが使われているかもしれません。ほかの香りを邪魔せず、空間全体に高級感や落ち着きを与える効果が期待できるため、ブランドのイメージ作り(ブランドセント)にも適しているのです。
シダーウッドを香り印刷でマーケティングにも活用

香りは記憶や感情にダイレクトに働きかけるため、マーケティングの分野でも注目されています。例えば、ファストフード店があえてテンポの速い音楽や明るい色を使って回転率を上げようとするのに対し、シダーウッドのような鎮静効果が期待できる香りはその逆の戦略に有効です。
「回転率重視(薄利多売)」ではなく、お客様にじっくりと商品を選んでもらいたい「関係性重視(高付加価値)」のビジネスには、落ち着きのあるシダーウッドの香りがマッチしやすいです。
パッケージや販促物に香りを施し、製品に重厚感や高級感を与え、「しっかりしたもの」という信頼感を醸成する際に採用してみてはいかがでしょうか。
香り印刷はプルーストへ
もし、ビジネスでシダーウッドのような香りを印刷物や販促品に取り入れたいなら、ぜひ「プルースト」をご利用ください。以下のように、シダーウッドのニュアンスを含んだ魅力的な香りのラインナップをご用意しています。
- 静寂な森を思わせる「木漏れ陽のヒノキロード」
- 自然の力強さを感じる「草原のワイルドユーカリ」
- 揺らぐ炎のような安らぎを与える「ゆらぎのアロマキャンドル」
いずれもシダーウッドと共通するウッディな落ち着きを持っており、名刺やDM、しおりなどに印刷すれば、手にとった瞬間にお客様の心を掴むきっかけになるはずです。
シダーウッドの香りに関するよくある質問(FAQ)

最後に、シダーウッドの香りに関するよく寄せられる疑問にお答えします。
シダーウッドと相性の良い香りは?
シダーウッドは万能な「ベースノート」と相性が良いのは、オレンジやベルガモット、レモンといった「柑橘系」が挙げられます。また、ラベンダーやゼラニウムなどの「フローラル系」とも相性抜群で、華やかさの中に落ち着きを持たせた上品なブレンドになります。
ヒノキとシダーウッドの違いは何ですか?
ヒノキとシダーウッドはどちらもウッディで落ち着く香りですが、植物の種類や香りのニュアンスには違いがあります。ヒノキはヒノキ科の樹木で、日本人に馴染み深い、お風呂や神社仏閣を連想させるような清々しく神聖な香りが特徴です。
一方、シダーウッドは先述の通りマツ科(アトラス)やヒノキ科(バージニア)などの種類があり、一般的にはヒノキよりも甘みやスパイシーさ、あるいは鉛筆のようなドライな印象が強く出やすい種類です。
シダーウッドの日本名は何ですか?
精油として流通しているシダーウッドには、一般的に「杉(スギ)」という漢字が当てられます。ただし、日本の「スギ」と完全に同じではありません。
シダーウッド・アトラスは「大西洋杉(タイセイヨウスギ)」と呼ばれ、マツ科の植物です。一方、シダーウッド・バージニアは「鉛筆柏槙(エンピツビャクシン)」という和名を持っており、こちらはヒノキ科に属します。
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まとめ
シダーウッドは、単に「木の香り」という言葉では片付けられない、奥深く魅力的な世界を持っています。アトラス種の温かみのある甘さも、バージニア種のシャープな清涼感も、私たちの疲れた心を優しく包み込み、リラックスや安眠へと導いてくれる効果が期待できます。
プルーストでは、シダーウッドのニュアンスを含んだ魅力的な香りのラインナップをご用意しています。もし、ビジネスでシダーウッドのような香りを印刷物や販促品に取り入れたいなら、ぜひ下記ページから詳細をご覧ください。
香りの印刷所プルースト編集部
この記事は、香りの印刷所プルーストを運営している久保井インキ株式会社のプルースト編集部が企画・執筆した記事です。
香りの印刷所プルーストでは、香りの印刷をテーマにお役立ち情報の発信をしています。