お知らせ

紙に香りをつける方法とビジネス活用|製品開発からマーケティングまで

コラム 2025.1.7

従来の紙製品は、視覚と触覚に訴えかけるものでしたが、「香り」という新たな要素を加えることで、製品の魅力は向上します。香りには記憶を呼び起こす力があり、ブランドイメージの構築や商品の差別化に貢献するからです。

本記事では、香り付き紙製品の基礎知識から市場動向、具体的な活用方法まで詳しく解説します。「紙製品で他社との差別化を図りたい」「商品の付加価値を高めたい」「顧客の記憶に残る販促物を作りたい」という方は、ぜひ最後までご一読ください。

香りの印刷はプルーストにお任せください。

\香りの名刺・しおりなど商品多数!/

商品一覧はこちら

紙に香りは付けられる?

紙に香りを付けることは技術的に可能で、すでにさまざまな製品が市場に出回っています。実際に販売されている香り付き紙製品は、3つのカテゴリーに大別できるため、以下でそれぞれご紹介します。

紙のお香(ペーパーインセンス)

紙のお香は、伝統的な線香やお香に代わる新しい形態の製品です。従来のお香と比べて取り扱いが容易で、保管にも場所を取らないという特徴があります。

代表的な製品として「パピエダルメニイ」があり、19世紀からヨーロッパで愛用されてきました。この製品は、特殊な紙に香料を染み込ませ、燃焼させることで芳香を楽しむことができます。

日本では、和紙の特性をいかした「和紙香」も人気です。和紙の繊維質が香りを程よく保持し、穏やかな香りの拡散を可能にしています。

ペーパー製品

日常生活で使用する紙製品にも、香りを付加する技術が応用されています。従来の機能性に加えて、香りという付加価値を提供することで、ユーザー体験を向上しているビジネスでも検討したい製品の例です。

トイレットペーパーには、心地よい香りを付けることで使用時の快適性を高めた製品が登場していることはすでにご存知でしょう。また、飲食店などで使用される香り付きおしぼりは、清潔感と高級感を演出する効果もあるそうです。

アロマ関連製品

文具やギフト用途として、アロマの要素を取り入れた紙製品も登場してきています。香りの選定から強度まで用途に応じてカスタマイズでき、視覚と嗅覚の両方に訴えかけることでより深い感情的なつながりを生み出すことができます。

例えば、香り付き便箋やグリーティングカードは、受け取る人に特別な印象を与えるなどです。最近では、企業のブランディングツールとしても注目されており、オリジナルの香り付きカードや販促物としても活用されています。

香り付きの紙に関する市場規模

香り付き紙製品市場は、フレグランス市場の成長に連動して着実な拡大を続けていると考えられます。世界のフレグランス市場は2021年時点で約500億ドル規模であり、年平均成長率(CAGR)5%以上で推移しているためです。

特に注目すべきは、従来の香水やアロマ製品だけでなく、紙製品への香り付加による付加価値創出が新たな成長分野として台頭していることです。香り付き紙製品市場は、従来の紙製品市場に新たな価値を付加する成長市場として、今後さらなる発展が期待できるでしょう。

より詳しいデータや参照は、ぜひ下記ページもご覧ください。

【関連記事】香りの市場規模は?業界別の市場とビジネスへの必要性も紹介

紙に香り付けする3つのメリット

香り付き紙製品の導入を検討されている企業様に、ビジネスにおける具体的なメリットをご紹介します。

記憶に残りやすい

香りは人間の記憶と密接に結びついており、視覚や聴覚よりも長期的な印象を残すことができます。嗅覚情報は、大脳辺縁系を通じて感情や記憶を司る部分に直接伝達されるためです。

簡単にいえば、嗅覚(匂い)の情報は、脳の中の「感情・記憶」に一直線で届きます。そのため、紙に香りを付けることで、受け取った人の記憶に強く残り、商品やブランドの認知度向上につながります

他社との差別化が図れる

現在の日本市場において、香り付き紙製品を積極的に活用している企業はまだ少数です。そのため、香りという付加価値を取り入れることで、競合他社との明確な差別化が可能になります。

特に名刺やパンフレットなど、顧客との接点となる紙製品に香りを付けることで、商談や営業の場面で強い印象を残すことができます。また、企業独自のオリジナルな香り(ブランドセントとも呼ばれる)を開発し、ブランドアイデンティティをさらに強化することも可能です。

【関連記事】ビジネスの差別化戦略とは?新たなアプローチとポイント

低コストで手軽に導入できる

香り付き紙製品は、既存の印刷工程に香り付加工を追加するだけで実現できるため、大規模な設備投資や製造ラインの変更は不要です。小ロットからの製造にも対応可能で、1枚あたりの追加コストは数円から数十円程度に抑えられます。

また、香りの種類や強さを自由にカスタマイズできるため、予算や用途に応じて柔軟な対応が可能です。季節限定商品や特別なプロモーションなど、試験的な導入からスタートすることもできます。

紙に香りをつけて使えるビジネスシーンの例

香り付き紙製品は、従来の紙製品に香りという付加価値を加えるだけで取り入れられる方法です。以下では、具体的な活用に際して参考になるビジネスシーンの例を紹介します。

オフィス空間の彩り

オフィス空間に香り付き紙製品を導入すると、従業員の生産性向上やストレス軽減に貢献できます。例えば、書類ケースやファイルに柑橘系の爽やかな香りを付けることで、デスクワーク時の気分転換を促すなどです。

また、会議室で使用する資料にラベンダーの香りを施すことで、リラックス効果も期待できます。オフィス全体の雰囲気づくりに一役買う、新しいアプローチとして検討できるでしょう。

自社オリジナルの名刺

香り付きの名刺は、ビジネスの第一印象を変えられるほか、手軽に導入できるビジネスシーンです。通常の名刺交換では視覚的な情報のみですが、香りを付加することでプルースト効果によって記憶に残りやすく、ブランディングツールに早変わりします。

例えば、フローラル系の香りを付けた名刺は、女性向け商品を扱う企業のイメージ作りに使うといったことも可能です。差別化を図りたい営業担当者や、クリエイティブ業界で特に効果を発揮する好例です。

マーケティングツール

香り付き紙製品をマーケティングツールとして活用することで、商品やサービスの魅力を五感に訴えかけることもできます。香りを付けることで、購買意欲を刺激したり、DMの開封率や閲覧時間を向上したりする効果が期待できます(※)。

香りは、名刺やポストカード、絵はがきからチラシに至るまで紙製の印刷物に付与しやすいです。オンラインでは実現できない香りでの訴求は、オフラインならではのツールとして顧客との新たな接点を生み出すことができます。

参照:J-STAGE 阿部周造・河股久司・守口剛・竹村和久 (2023)「消費者行動における匂いの効果研究の展望」『消費者行動研究』

配布用のノベルティ

香り付きノベルティ、例えばメモ帳やカレンダーなどの紙製品に香りを付けることで、日常的に使用される中で継続的にブランドを訴求できます。具体的には、アロマテラピーショップのメモ帳にラベンダーの香りを付けることで、商品ラインナップのPRに使うなどです。

製作コストは通常のノベルティと比較してもわずかな上昇に抑えられ、インパクトの大きさを考えると費用対効果は高いといえます。すでに紙製品のノベルティを作ってしまったという場合は、香りつきのシールを貼り付けるだけでも差別化できるでしょう。

同人誌の表紙

同人誌市場において、香り付きの表紙は作品の個性を際立たせる新しい表現方法として取り入れられます。同人誌の販売は競争が激しく、どれだけ魅力的な作品であっても手にとってもらえなければ厳しい状態に陥りやすいです。

その際、作品の世界観に合わせた香りを選定して販売ブースに彩りを添えたり、販売の際に香りで興味関心を惹きつけたりできるでしょう。印刷時の香り付け加工を行うため、対応した印刷業者に依頼する必要がありますが、差別化として効果的です。

【関連記事】印象的な同人誌とは?デザインの作り方からポイントまで解説

紙に匂いをつける方法

紙に香りを付与する方法は、製造工程や用途によって使いわけることが重要です。以下では、主な4つの手法を紹介します。

含浸・コーティング

含浸・コーティングは、もっとも一般的な香り付け方法です。和紙などの紙素材に直接香料を染み込ませる「含浸方式」と、香料をコーティング剤に混ぜて表面に塗布する「コーティング方式」の2種類があります。

含浸方式は、紙を香料溶液に浸すか、スプレーで噴霧して染み込ませます。コーティングより簡単で小ロットの製造にも適しているほか、特に和紙であれば繊維の隙間が多いことから香りの保持性が高いという特徴もあります。

一方、コーティング方式は、香料を含んだ特殊なコーティング剤を紙の表面に塗布します。トイレットペーパーなどの日用品で多く採用されており、均一な香り付けが可能です。また、コーティング剤の選択により、香りの持続時間をコントロールできます。

パルプ製造時

パルプ製造時の香り付けは、紙の原料となるパルプに直接香料を混ぜ込む方法です。主に業務用おしぼりなどの製品で採用されており、紙の繊維そのものに香りを定着できます。

製造工程ではパルプの叩解工程で香料を添加して混ぜ込むことで、紙の全体に均一に香りを行き渡らせます。特殊な定着剤を併用することで、香りの持続性を高めることもできます。

紙の内部まで香りが行き渡るため、表面的な香り付けよりも長期間の香り持続が期待できるのが利点です。ただし、大規模な製造設備が必要となることから、主に大量生産向けの手法となっています。

匂袋・カードフレグランス

匂袋・カードフレグランスは、香りを付けたい紙製品と一緒に保管して、自然に香りを移す方法です。古来より日本の伝統的な香文化で用いられてきた技法を現代に応用したものです。

揮発性の高い香料を含んだ専用のカードや袋を香りを付けたい紙製品と密閉空間で保管し、時間の経過とともに気化して周囲の紙製品に移り、自然な香り付けを行う仕組みです。既存の紙製品に手軽に香りを付与できるため、小規模なビジネスや個人での使用に適しています。

香り印刷

香り印刷は、特殊な香りインキを使用して印刷工程で香りを付与する方法です。通常の印刷工程に組み込めるため、デザインと香りを同時に表現できます。

印刷会社によって異なりますが、プルーストではマイクロカプセルに封入された香料を含むインキを使用します。印刷された部分を擦ると、カプセルが破裂して香りが放出される仕組みです。

カタログやパンフレット、雑誌の広告などで採用されており、視覚と嗅覚に訴えるマーケティングツールとしても利用可能です。

【関連記事】:香り印刷とは?こすると匂いがする仕組みから製品例まで完全解説

小ロット対応!紙に香りをつけるならプルーストへ

香り付き紙製品の製作なら、印刷会社が運営する「プルースト」にお任せください。100部からの小ロット対応で、名刺サイズからA4サイズまで、あらゆる紙製品に香りを付けることが可能です。

弊社の強みは、長年培った印刷技術と香り付け技術の融合にあります。14種類の厳選された香りから、用途に合わせて最適な香りをお選びいただけます。また、紙の種類も豊富に取りそろえ、お客様のニーズに合わせて選ぶことが可能です。

「プルースト効果」を活用し、ビジネスに新しい可能性を広げてみませんか?

ご要望にお応えして、無料サンプルで香り付き紙製品の魅力を体験できるようになりました。お見積りも承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

まとめ

香り付き紙製品は、ビジネスにおける差別化戦略として採用できます。また香りの市場規模は年々拡大傾向にあり、特にマーケティングツールやオフィス用品としての需要も高まっていくでしょう。

製造方法も、含浸・コーティングから香り印刷まで、予算や用途に応じて選択可能です。特に小ロットでの試作は、初期投資を抑えながら市場反応を確認できる有効な手段となります。

視覚と嗅覚の両面からブランド価値を高める香り付き紙製品を、新しいマーケティングツールとして導入してみませんか?気になる方は、ぜひプルーストの製品一覧からイメージを掴んでみてください。

香りの印刷はプルーストにお任せください。

\香りの名刺・しおりなど商品多数!/

商品一覧はこちら

この記事を企画・執筆した人
香りの印刷所プルースト編集部

この記事は、香りの印刷所プルーストを運営している久保井インキ株式会社のプルースト編集部が企画・執筆した記事です。
香りの印刷所プルーストでは、香りの印刷をテーマにお役立ち情報の発信をしています。

香りの印刷所プルースト編集部が企画・執筆した他のコラム一覧

カテゴリー最新記事