コラム
アーティストにも名刺は必要?作成メリットとデザインポイントを解説

アーティストとして活動するうえで、名刺をただの連絡先の交換だと考えてはいるのではないでしょうか。名刺は、使い方次第で展覧会やライブ会場で出会った人へ作品世界を伝え、次のチャンスを掴む戦略の1つとなります。
今回は、アーティストの方に向けて名刺の作り方から記載項目、デザインのコツまで解説します。作品と同レベルで名刺にもこだわりを持って取り組み、顧客を獲得するための参考にしてください。
Index
アーティストに名刺が必要な理由

アーティストに名刺が必要な理由は、作品だけでは伝わらない情報を補完できるからです。展覧会やライブで作品を見た人が「この作家ともっとつながりたい」と思ったとしましょう。この際、連絡方法やSNSアカウントがわからない状態では次につながりません。
一方で、インパクトで印象を残しつつ情報を適切に伝えられたなら、次につながるきっかけを渡せるはずです。名刺はその場で渡せて、せっかくの出会いを着実に次のステップへつなげる広告でもあります。あなたというアーティストのブランドイメージを伝える役割を担うように作り、相手の記憶に残りやすい形で届ける工夫を凝らしてください。
2種類あると使い分けもできる
アーティストの名刺は、以下の2種類があると使いわけも可能です。
- 配布用の名刺
- 営業用の名刺
配布用の名刺は、展覧会やライブ会場に設置し、だれでも自由に持ち帰れるようにするために用意します。営業用の名刺は、業界関係者やギャラリーオーナーなど、仕事の依頼につながる相手に直接手渡す用です。
2枚作るのは面倒かもしれませんが、個人情報を保護できるので、自らを守るためにもぜひ検討してください。
アーティストが名刺を作るメリット
アーティストが名刺を持てば、展覧会やライブ会場で出会った人との関係を深め、仕事のチャンスを広げつつ活動を次の段階へと押し上げる推進力となります。ここでは、具体的にどのようなメリットがあるのかを紹介します。
口頭では伝えきれない情報を補える
アーティストとして活動している際、名前やジャンル、連絡先などを口頭で説明する時間がなかったという経験はないでしょうか。また、相手が聞き逃したり、間違って覚えたりしてしまったという方もいるはずです。
こうしたタイミングに名刺を渡せば、正確な情報が相手の手元に残り、あとから見直してもらえます。SNSアカウント名や複雑なWebサイトURLは、名刺に印刷しておくほうが確実ですし、相手にとっても使いやすくて親切です。
初対面でも会話のきっかけになる
アーティストの方がデザインにこだわった、または作品ビジュアルを入れた名刺自体が話題となります。会話が自然に弾めば、お互いにとって良い印象を残せるチャンスも広がります。
- 「素敵な名刺ですね」
- 「この絵はどのような作品ですか」
と相手から質問が生まれ、自然と自己紹介の流れができるのです。会話が弾めば印象にも残りやすくなり、後日思い出してもらいやすくなる効果も期待できます。
本気で活動している証明になる
名刺を持って活動している状態は、アーティストとして真剣に活動しているという強いメッセージにもなり得ます。イベント会場で業界関係者と出会ったとき、趣味レベルとプロの境界線を示す、わかりやすい指標となるためです。
丁寧に作り込まれた名刺をサッと渡せば「この人は本気だな」とすぐに伝えられます。印象の違いだと感じるかもしれませんが、こうした積み重ねが今後の活動における顧客の創出につながります。
将来の仕事依頼につながる
先に軽く触れていますが、アーティストの名刺があれば連絡先を着実に保管してもらえます。のちに目を通して、数か月後や1年後に「次回イベントに出ませんか」と突然仕事の依頼が来るといった可能性も捨てきれません。
音楽イベントの主催者や展覧会の企画者は、常に新しいアーティストを探している層です。今はチャンスがなくとも、名刺にメールアドレスや電話番号を明記しておけば、相手が迷わず連絡できる状態にできます。
作品や活動を広められる
アーティストの方が名刺にWebサイトやSNSのQRコードを載せておけば、受け取った人がその場でスマホをかざすだけで作品を閲覧できる環境も用意できます。従来の方法では、「後で検索してください」と頼むほかなかったはずです。
今ではスマホで読み取るだけで、行動のハードルが低く、実際にアクセスしてもらえる確率も高い時代になりました。紙切れだと侮っていた小さな名刺が24時間働く営業マンとなり、代わりに活動を宣伝し続けてくれるのです。
ファン獲得のきっかけを作る
アーティストのライブや展覧会に来てくれた観客に名刺を配れば、帰宅後にSNSをフォローしてもらったり、次回イベントの告知を見てもらえたりする可能性を高められます。
確かに、イベントでたった一度会っただけの関係です。そこで名刺を渡せば、単発から「継続的なファン」に育てる橋渡しも担えるのが強みでもあります。渡した名刺をそのまま友人にシェアしてもらえれば、口コミ効果も期待できます。
アーティスト仲間との交流が深まる
展覧会や音楽イベントでほかのアーティストと出会ったとき、名刺交換によって自然に連絡先を共有できるのもメリットです。お互いの活動内容や作品傾向を知るきっかけにも最適です。
また、仲良くなれば後日にコラボレーション(共同制作)を行うという話に発展する可能性も十分にあります。こうした関係は、モチベーション(やる気)維持や情報交換の面でも価値が高いです。
異業種交流でチャンスが広がる
アーティストの名刺は、業界外の人に興味を持ってもらうためのアプローチにも有効な媒体です。
- カフェオーナー
- イベント企画者
- まったく違う業種の担当者
など、異業種の人と出会ったとき、ユニークな名刺がきっかけで「うちの店に作品を飾りませんか」といった思わぬ提案が生まれる可能性も捨てきれません。普段の生活の中で常に持ち歩けば、予想外の出会いを活かせる状態を作れるのです。
【関連記事】 香り名刺とは?作り方からメリット・デメリットまで解説
アーティストの名刺に書いておきたい基本の項目

名刺を作ろうと考えた際、何を記載すべきか迷う方も少なくありません。ここでは、アーティストとして必ず押さえておきたい基本項目も紹介します。営業用と配布用で情報量を調整しつつ、相手にとって必要な情報を的確に伝える工夫を凝らす参考にしてください。
本名・作家名
アーティストが営業用に使う名刺では、本名をしっかり記載します。配布用は本名ではなく作家名やアーティスト名を使うだけで構いません。
難しい名前の方や、アーティスト名が読みにくい場合には、どちらも小さくローマ字表記も添えると親切です。また、SNSやWebサイトと表記を統一できれば、検索でも見つけてもらいやすくなります。
肩書き
アーティストの名刺を作る際には、以下のように、あなたが何をする人なのかを一言で伝えてみてください。
- 画家
- 水彩画家
- シンガーソングライター
- イラストレーター
ほかにも、ジャンルや画材を明記すると、より具体的なイメージを持ってもらえます。複数の活動をしている場合は「デザイン/企画」のようにスラッシュで併記する方法も有効です。
電話番号
アーティストの方が営業用に名刺を作るなら、電話番号を記載してすぐに連絡を取れるようにしておくのもポイントです。可能であればアトリエなどの固定電話番号も併記すると、さらに信用度が増します。
電話なら急ぎの連絡や打ち合わせの調整がスムーズになりますし、すぐ連絡を取れるスピード感はビジネスシーンでも重要視されやすい項目です。
メールアドレス
アーティストの名刺に記載するメールアドレス(仕事用)は、Webサイトに問い合わせフォームがあれば省略しても構いません。もし記載するのであれば、独自ドメイン(自分専用のWebアドレス)のメールアドレス(例:info@yourname.com)を使うと、プロとしての本気度が伝わりやすくなります。
個人で連絡を取る場合は、別のアドレスでわけておくと管理しやすくなります。配布用・営業用のアドレスをまとめてしまうと読み返すのが大変で、大切なアポイント(約束)も見逃しやすいからです。
Webサイト・SNS
名刺には各種情報サイトへの自然な誘導を添えておくと、アーティストとして欠かせないファン獲得につなげられます。
- X(旧Twitter)
- YouTube
など、作品を発信している主要なSNSのアカウント名を記載してください。また、URLの手入力は面倒なので、QRコードも併記しておくのが望ましいです。
複数のSNSやWebサイトを1つのページにまとめるサービスを使えば、名刺にはそのQRコード1つを載せるだけで済みます。
作品ビジュアル
名刺には、アーティストとして欠かせない絵や写真、イラストなど、作品を代表するビジュアルを配置するのも良い方法です。時間が経っても「この絵を描く作家」と思い出してもらえるからです。
例えば、10〜20文字程度の短いコピーで作品の本質を伝えるのも一案です。名刺交換の際に「このコピーいいですね」と話題にもなりやすいですし、相手に印象を残しやすくなります。
業務内容
アーティスト、または少し具体的に「画家」とだけ書かれていても、具体的に何を依頼できるのか相手にはわかりません。
- 壁画制作/グッズデザイン
- ライブペインティング
- 似顔絵制作
など、対応可能な業務を併記できれば、相手が「この人にこれを頼めるな」と判断しやすくなります。仕事の幅を広げるためにも、無駄なく細かく書いてみてください。
【関連記事】 香り×販促で売上UP!得られる効果と取り入れる5つの方法
アーティストの名刺のデザインでタブーなものは?
ここまで記載事項をお伝えしましたが、アーティストの名刺デザインでタブーなのが「情報が読めないデザイン」です。具体的には、以下が例として挙げられます。
- 背景画像が派手すぎて文字を読めない
- フォント(文字の書体)が装飾的すぎて名前を読めない
- 色のコントラスト(明暗の差)が弱くて見にくい
どれだけ個性的でも、実用性に欠ける名刺は相手にとって不便なだけです。奇抜すぎる形状や、相手の名刺入れに収まらないサイズも、紛失リスクが高まるため避けたほうが無難です。
一般的な名刺サイズは縦55mm×横91mmですから、名刺入れや整理用のファイルにも収納しやすいサイズ感を目指してください。
関連記事:変わった名刺のデザイン3種類と作成方法|プルースト
アーティストの名刺を魅力的に作るポイント

アーティストの名刺のデザインは、世界観を一枚のカードに凝縮する作業です。紙の質感、特殊加工、差別化ポイントの3つを意識すれば、受け取った相手の記憶に強く残るアーティスト名刺が完成しますので、ぜひ参考にしてください。
紙の質感で個性を出す
名刺では、紙の質感でアーティストが演出したいイメージを創出できます。例としては、以下が挙げられます。
| 用紙の種類 | 特徴 |
| マット紙(ツヤなし) | 落ち着いた上品な印象を与える |
| 光沢紙(コート紙) | 鮮やかで華やかな印象を与える |
| 和紙風の紙 | 落ち着いた雰囲気を与える |
紙の質感も作品の世界観と合わせれば、名刺全体の統一感が生まれるはずです。自然をテーマにした作品を手がけるアーティストには、再生紙やFSC認証紙(持続可能な森林から作られた紙)を選ぶのも良い案です。
特殊加工で世界観を演出する
名刺に金箔や銀箔を使った箔押し加工は、名前やロゴを際立たせ、高級感を演出できます。一方で、エンボス加工(浮き出し)やデボス加工(凹み)は、触ったときの立体感が印象的で、ほかの名刺との差別化に有効です。
そのほかにも、各社でこだわりの加工を行っているため、アーティストとして唯一無二を目指す際の選択肢となります。ただし、いずれも追加費用がかかる点を踏まえ、予算と効果のバランスを考えて選んでください。
差別化のポイントを明確にする
同じ業界のアーティストも工夫を凝らしてくることを想定すると、似たり寄ったりになりやすいのが名刺の悩みです。そうした際には、差別化のポイントを明確にしなくてはなりません。
例えば、キャッチコピーだけに限らず、材質からデザインまでこだわるといった具合です。たった1つの自分だけの世界観を、どうブランディングするかが肝要ですから、今のタイミングで深く考えてみてください。
アーティストの名刺のブランディングには香り印刷がおすすめ

アーティストの名刺で差別化し、ブランディングを目指すのであれば香り印刷がおすすめです。見た目のインパクトだけでなく嗅覚にも訴えかけ、より深い印象を相手に残せるのが強みです。また、名刺交換・商談の場では、「何か良い香りがするね」という一言から会話が広がり、緊張した空気を和らげるきっかけにもなります。
プルーストであれば、ラベンダーやローズ、バニラ、石鹸、ひだまりなど、14種類の厳選された香りから、作品世界に合うものを選べます。また、100部から作成可能で、小ロットでの注文にも対応可能です。
実際の名刺のデザイン事例
プルーストで名刺を作った女優の香月蓮様は、視覚だけではない女優としてのイメージを伝えるために、擦ると香りがする「香りの名刺」を作成しました。見た目に加えて嗅覚にも訴えかけることで、ほかの女優との差別化を実現し、印象に強く残る名刺に仕上がっています。
この事例のように、アーティストにとっての香りは作品世界観や個性を、記憶に残る形で伝える武器となります。香り印刷という新しいアプローチで、あなたらしさをぜひ最大限に引き出してください。
関連記事:女優 香月蓮様|香りの印刷所プルースト
\香りの名刺で印象に残るアーティストへ!/
まとめ
アーティストにとっての名刺は、連絡先を伝えるだけの紙切れではありません。世界観を一枚のカードに凝縮し、受け取った相手の記憶に残る工夫を凝らせば、仕事のチャンスやファン獲得につながる広告媒体です。
また、紙の質感や特殊加工に加え、香りという新しい切り口を取り入れれば、ほかのアーティストとの差別化も実現できます。香りの印刷所プルーストでは、14種類の香りから選べ、作品世界に合った香りで印象に残る名刺を作成可能です。
活動を次のステージへ押し上げる香り付き名刺を、ぜひこの機会に作成してみませんか?今すぐ以下ページから詳細をチェックして、サンプルをご請求ください。
\香りの名刺で印象に残るアーティストへ!/
香りの印刷所プルースト編集部
この記事は、香りの印刷所プルーストを運営している久保井インキ株式会社のプルースト編集部が企画・執筆した記事です。
香りの印刷所プルーストでは、香りの印刷をテーマにお役立ち情報の発信をしています。