コラム
ショップカードから、飲食店の再来店率を上げる作り方と香りの力

レジ横に置かれたショップカード、最後にきちんと見直したのはいつでしょうか。飲食店にとってショップカードは、単なる連絡先の記録ではなく、来店したお客様とのつながりを店の外まで延ばすための販促ツールです。
本記事では、飲食店のショップカードに必要な基本要素からデザインの工夫、費用相場までを整理し、さらに近年注目されている「香りを纏わせる」という新しいアプローチについても紹介します。
Index
手に取ってもらえるショップカードの条件
受け取られても持ち帰られない、よくあるつまずき
多くの飲食店でショップカードは作られているものの、実際にはレジ横に置かれたまま持ち帰られない、受け取ってもすぐに捨てられてしまう、というケースが少なくありません。原因の多くは次の3点に集約されます。
・情報を詰め込みすぎている
・デザインが店舗の雰囲気と合っていない
・持ち帰る理由(特典やきっかけ)が用意されていない
ショップカードを作ることと、効果のあるショップカードを作ることは別の話です。この3点を意識して設計し直すだけで、持ち帰られる確率は大きく変わります。
販促効果を高める3つのポイント
ショップカードを「配って終わり」にしないためには、次の3つが欠かせません。
・情報設計:本当に必要な情報だけを、優先順位をつけて配置する
・デザイン:店舗の世界観が一目で伝わるビジュアルにする
・記憶に残る工夫:受け取った後も手元に残したくなる仕掛けをつくる
この3つが揃って初めて、ショップカードは「配布物」から「販促ツール」へと役割を変えます。それぞれを具体的に見ていきましょう。
飲食店のショップカードに必要な基本要素
掲載すべき情報とその優先順位
ショップカードに詰め込みたい情報は多いですが、優先すべきは来店に直結する情報です。具体的には、店舗名・営業時間・定休日・アクセス・連絡先の5つが基本です。これだけでカードの大半のスペースを使ってしまうこともあるため、情報の優先順位を決めてから設計を始めましょう。
SNSアカウントやQRコードは、余白とのバランスを見ながら補助的に配置するのが基本です。「全部入れよう」とすると視線の流れが分断され、何も伝わらないカードになってしまいます。
サイズ・紙質・印刷方法の選び方
一般的な名刺サイズ(91mm×55mm)は財布やカードケースに収まりやすく、飲食店のショップカードでも広く採用されています。ポケットに入るコンパクトさが、持ち帰られる確率を高める実用的な理由のひとつです。
紙質は、マット紙・光沢紙・厚紙など店舗の雰囲気に合わせて選ぶことで、手触りからも印象を伝えることができます。落ち着いた和食店にはマット系の厚紙、華やかなデザートカフェには光沢紙、といった合わせ方が一般的です。
費用相場と安く作るコツ
少部数であればオンライン印刷を利用することで、比較的安価にショップカードを作成できます。100枚で数千円程度から対応しているサービスも多く、まず少量試作して改善するアプローチも取りやすいです。
ただし、極端に印刷コストを抑えると紙質やデザインの質が落ち、かえって「安っぽい店」という印象につながる場合もあります。費用と品質のバランスを見極めることが重要です。特に既存客への再来店を目的とするショップカードは、その店の印象を持ち帰ってもらうツールでもあるため、「一番安いもの」を選ぶ判断には慎重になりましょう。
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デザインで差がつくショップカードの作り方

一目で業態が伝わるデザインの工夫
来店客が受け取った瞬間に「どんな店か」が伝わるデザインは、記憶に残りやすいです。料理の写真を大きく使う、イラストで世界観を表現するなど、業態やコンセプトに合わせた表現方法を選ぶことがポイントです。
反対に、フォントや色がバラバラで情報が混在しているデザインは、「どんな店かわからない」という印象を与えます。デザインの基本は、引き算です。余白を意識的に作ることで、残った情報がより目立ちます。
ロゴ・カラー・書体で店舗の世界観を伝える
店舗のロゴカラーや書体をショップカードにも統一することで、店内の内装やメニュー表とのブランドイメージの一貫性が生まれます。この一貫性が、後から見返したときの「あの店だ」という想起につながります。
複数の色やフォントを使いすぎると、ショップカード全体がちぐはぐな印象になります。メインカラー・サブカラー・アクセントカラーの3色程度に絞り、フォントも2種類以内に抑えることが、まとまりのあるデザインへの近道です。
QRコードやSNS導線を組み込む
QRコードを設置することで、来店後もSNSや予約サイトへスムーズに誘導できます。ショップカードを「その場で終わる紙」ではなく「オンラインへの入り口」として機能させる工夫です。
ただし、QRコードを入れる場合は印刷後に実機で読み取れるかどうかを必ず確認しましょう。遷移先のページがスマートフォンで見やすいかどうかも、フォロー率や予約率に直結します。
ショップカードが再来店率に与える影響
「持ち帰られるカード」と「捨てられるカード」の違い
同じ情報量でも、デザインや紙質、渡し方によって持ち帰られる確率は大きく変わります。会計時に「よろしければどうぞ」と一言添えて手渡す、スタンプ特典を記載するなど、受け取る側に「取っておく理由」を用意できるかどうかが分かれ目です。
黙ってレジに置いておくだけのショップカードと、スタッフが一言添えて手渡すショップカードでは、持ち帰られる確率が変わります。渡し方も、販促効果のうちのひとつです。
リピーター施策としての位置づけ
ショップカードは単体の販促物ではなく、スタンプカードやSNSフォロー施策など、他のリピーター施策と組み合わせることで効果を発揮しやすくなります。財布やバッグの中に残り続けること自体が、次回来店の「思い出すきっかけ」になります。
「2回目の来店」を生み出すためのハードルを下げることがリピーター獲得の本質であり、ショップカードはそのハードルを日常の中で繰り返し下げ続けるツールとして機能します。
記憶に残るきっかけをどうつくるか
視覚的なデザインだけでなく、手に取ったときの質感や、受け取った瞬間の印象など、複数の感覚に訴えかける工夫が「思い出してもらえる確率」を高めます。触覚(紙の厚みや手触り)・視覚(デザインとカラー)に加えて、嗅覚(香り)という要素を加えると、記憶への定着がさらに変わる可能性があります。
【関連記事】リピーターを増やすには「記憶に残る体験」が全て。 嗅覚が生む再来店の心理科学
香りという第4の販促軸
香りは、視覚や聴覚よりも記憶と結びつきやすい感覚とされています。ふと香った匂いをきっかけに、忘れていた光景や感情がよみがえった経験を持つ方は少なくないはずです。
この「香りと記憶の結びつき」は、「プルースト効果」と呼ばれる現象にたとえられます。フランスの作家マルセル・プルーストが小説の中で描いた、香りが過去の記憶を鮮やかによみがえらせる体験に由来する比喩的な表現です。飲食店の現場でいえば、来店時に感じたコーヒーや焼き菓子の香りが、後日その店を思い出すきっかけになるという体験がこれにあたります。
この仕組みを印刷物に応用しているのが、久保井インキの香り印刷所「プルースト」です。マイクロカプセルに封入した香りを紙へ定着させることで、手に取った瞬間にふわりと香りが立ち上がるショップカードを作ることができます。
会計時に手渡されたショップカードから、店の香りがほのかに感じられれば、それだけで他店との差別化につながります。財布の中でそのカードを見返すたびに、来店時の体験がよみがえるきっかけにもなります。デザイン・情報設計・記憶に残る工夫という3つのポイントに、「香り」という第4の要素を加えられる点が、香り付きショップカードの大きな特長です。
よくある質問(FAQ)
Q. ショップカードとポイントカードの違いは何ですか?
ショップカードは店舗の紹介や連絡先を伝えることを主目的とした販促物です。一方、ポイントカードは来店・購入の記録を蓄積し、特典と引き換えるためのツールです。両者を兼用する店舗も多いですが、目的が異なる点は押さえておきましょう。リピーター獲得を主な目的にする場合は、ショップカードにポイントスタンプ欄を設けるという組み合わせも有効です。
Q. ショップカードのサイズはどれくらいが一般的ですか?
名刺と同じ91mm×55mmサイズが最も一般的です。財布やカードケースに収まりやすく、来店客が持ち帰った後も保管しやすいというメリットがあります。サイズを変えると個性を出せますが、持ち帰りやすさとのバランスを考慮して判断しましょう。
Q. ショップカードを安く作るにはどうすればよいですか?
オンライン印刷サービスを利用し、規格サイズ・既存テンプレートを活用することでコストを抑えられます。ただし、紙質やデザインの質を落としすぎると店舗の印象を損なう可能性があります。最低限のクオリティを維持しながら、まず少量試作して改善するアプローチが現実的です。
Q. 香り付きのショップカードはどんな店舗に向いていますか?
カフェや専門店など、店舗独自の世界観や香りのイメージを大切にしている飲食店との相性がよいとされます。視覚的なデザインに加えて香りという新しい要素を加えることで、来店客の記憶に残りやすいショップカードを目指せます。香りの種類はお店のコンセプトに合わせて選定できるため、まずはサンプルで確認してみることをおすすめします。
まとめ:ショップカードは「配布物」から「記憶のツール」へ

飲食店のショップカードは、作って置いておくだけでは効果を発揮しません。情報設計・デザイン・渡し方という基本を整えた上で、持ち帰られる理由と記憶に残る工夫を加えることで、再来店につながる販促ツールとして機能します。
視覚・触覚に香りという嗅覚の要素を加えることで、来店客の記憶へのアプローチがさらに広がります。ショップカードのリニューアルや新規作成をお考えの飲食店経営者の方は、ぜひ香り印刷所「プルースト」にご相談ください。
香りの印刷所プルースト編集部
この記事は、香りの印刷所プルーストを運営している久保井インキ株式会社のプルースト編集部が企画・執筆した記事です。
香りの印刷所プルーストでは、香りの印刷をテーマにお役立ち情報の発信をしています。