コラム
なぜそのグッズだけが来場者の家に飾られるのか? 横浜花博閉幕後も、記憶に刻まれるブランドグッズを作るには

2027年に開催予定の横浜国際園芸博覧会(GREEN×EXPO 2027)。横浜市を舞台に半年間にわたって繰り広げられる国際的な花と緑の祭典には、国内外から数百万人規模の来場者が訪れると見込まれています。
「花や植物に囲まれた非日常」という、来場者の感情が最も動く瞬間に手渡されるグッズは、通常のビジネス展示会とはまったく異なる記憶の残り方をします。花の香り、緑の感触、自然の色彩。そういった感覚と結びついたグッズが、閉幕後もブランドを想起させ続けます。本記事では、花博グッズの設計・選び方・活用法を体系的に解説します。
Index
花博というにぎやかな会場で、グッズが果たす役割とは?
「花と緑」という強烈な感情文脈に乗せて届ける
花博の来場者は、咲き誇る花々・草木の香り・開放的な空間という感覚の束の中を歩き続けます。日常のビジネス展示会と根本的に異なるのは、来場者の感情的な高揚が会場全体に充満している点です。この感情的な文脈の中で受け取ったグッズは、記憶への刻まれ方が根本的に変わります。
「展示会でもらった企業の販促品」ではなく、「あの花博で手に入れた特別なもの」として印象に残ります。この差が、閉幕後のブランド継続認知の長さを左右します。感情が動いていない場面で受け取ったグッズは業務的な記憶として処理されやすいですが、花博のような感動体験の最中に受け取ったグッズは、体験ごとセットで長く記憶される可能性があります。
「植物・自然・香り」カテゴリとの親和性が高い
花博の来場者は、自然・ガーデニング・エコ・ウェルネスといったテーマへの関心が平均的なイベント来場者より高い傾向があります。これは、香り付きグッズや自然素材グッズが他の展示会よりも受け入れられやすい土壌です。
「花博という場での香り付きグッズ」は、場のテーマと製品特性が一致しています。花博の雰囲気に溶け込みながらブランドを印象づけられる、数少ない加工技術のひとつです。
国内外の来場者が「横浜土産」として持ち帰る
花博は国際博覧会であり、海外からの来場者も相当数訪れます。彼らにとってグッズは横浜・日本旅行の記念品として機能し、帰国後も手元に残される可能性が高いです。特に「日本らしい植物・香り」を想起させるグッズは、文化的な文脈を超えて価値を持ちます。
一方で、日本らしいデザイン一辺倒では「日本土産」というカテゴリに埋もれ、企業ブランドとして独立して想起されにくくなるリスクもあります。花博らしさとブランドらしさの両立が、設計上の核心課題です。
「もらってよかった」と思わせる花博グッズの条件

費用をかけて制作するグッズを会場に持ち込む前に、以下の条件を満たしているか確認しましょう。1つでも欠けると、「ただの配布物」になるリスクが高まります。
花博の会場で違和感なく存在できるか
「花博らしさ」を持ちながら企業ブランドとして認識されるバランスが重要です。植物・花・自然・香りといった花博のテーマとデザイン的に共鳴していれば、来場者は「この場にふさわしいもの」として前向きに受け取ります。花博という場の文脈から浮いたグッズは、それだけで「場違いな企業」という印象につながりかねません。
帰宅後も「捨てられない理由」がある
来場者が家に帰った後、グッズをどこに置くかを想像して設計しましょう。飾れる・使える・嗅げる、「捨てる理由がない」グッズは、長期間ブランドとの接触を継続させます。特に香り付きのグッズは「また嗅ぎたい」という動機で繰り返し手に取られます。手に取るたびが再接触のチャンスです。
植物・自然テーマの来場者心理に刺さる
花博来場者の多くは、自然・環境・ウェルネスへの意識が高い層です。サステナブル素材・自然由来の香り・エコなパッケージといった要素が、「これは自分向けだ」という感覚に直結します。「花博来場者に刺さる価値観」を起点にグッズを選ぶと、受け取り拒否率が下がり、配布効率が向上します。
担当者が10秒で説明できるストーリーがある
「このグッズ、花博会場で栽培された花の香りをそのまま閉じ込めてあるんです」「こすると会場の薔薇の香りが出てくる仕組みになっています」こういったひと言説明が自然に生まれるグッズは、渡した瞬間に会話が始まります。グッズに「語れる理由」を設計しておくと、配布担当者のモチベーションも上がり、配布の質が全体的に向上します。
デジタルへの橋渡しになっている
グッズ単体で完結させず、QRコードや短いURLで次のアクションへつなぐ設計が現代の展示会グッズの基本です。花博グッズを入り口に、製品紹介・SNSフォロー・問い合わせページへと来場者を誘導する動線を組み込みましょう。
【関連記事】チラシ・DM・ショップカードで差がつく!香り印刷で再来店率を高める方法
花博グッズ設計で後悔する判断ミス
「花博っぽいデザイン」で企業ブランドを薄める
花や植物のビジュアルは確かに花博に馴染みます。しかしロゴや企業カラーが背景に溶け込んでしまうと、来場者は帰宅後に「花のイラストのグッズ」としか記憶せず、企業名が思い出されなくなります。花博のテーマを取り込みつつ、ひと目で「あの企業のもの」とわかるデザインバランスを保つことが核心課題です。
配布数の目標がグッズの質を下げる
「1,000個配りきる」という目標を立てた瞬間、グッズの設計思想がコスト重視に傾きます。本来の目標は数を捌くことではなく、「手元に残る確率を最大化すること」です。100人の来場者に深く印象づける質の高いグッズは、1,000人に配って全員に忘れられる薄いグッズより、長期的なブランド効果が格段に高くなります。
屋外・長時間滞在の環境を考慮しない
花博の会場は広大な屋外エリアが中心です。来場者は数時間歩き続け、天候にさらされます。紙素材のみのグッズ・濡れると劣化するもの・かさばって持ち運びにくいものは、会場の特性と根本的にミスマッチです。「会場を出た後も手元にある」状態を維持できる素材・サイズ感を選ぶことが、花博グッズ設計の第一原則です。
複数ブースを回る疲労感を想定しない
花博来場者は1日に数十のパビリオン・ブースを訪れ、夕方には心身ともに疲弊しています。重い・かさばる・開封が面倒といったグッズは、疲れた来場者に選ばれません。軽量・コンパクト・受け取った瞬間に体験できる(香りを嗅げるなど)グッズが、疲労した来場者の感度にフィットします。
配布後のフォロー設計がゼロ
グッズを配ることで生まれた接点を、その後のマーケティングにつなげる設計がなければ、その接点は1回限りで消えてしまいます。QRコードのアクセスログ・問い合わせフォームからの流入・SNSタグの活用など、グッズ配布後のデータを回収する仕組みを事前に組み込んでおきましょう。
花博グッズを最大限に活かす展開術
グッズを「作って配る」で終わらせないために、配布の前後を含めた展開を設計しましょう。
「植物×香り」で会場との一体感を演出する
花博というテーマに最も自然に溶け込む展開が、香り付きグッズです。会場を包む花の香りと同系統の香りをグッズに封じ込めることで、「この会場の記憶」と「企業ブランド」を結びつける強力な仕掛けになります。来場者は帰宅後にそのグッズを手にするたびに、花博の情景とともにブランドを思い出す可能性があります。これは広告費をかけても再現しにくい「自発的な記憶の再生」です。
開催前のSNS告知でグッズへの期待を醸成する
花博の開幕前から「ブースに来てくれた方に限定グッズをプレゼント」と告知しておくことで、来場者のブース訪問動機を事前に高められます。「何をもらえるのか気になる」という期待感は、花博当日の来場行動そのものに影響します。特に「香りがある」「こすると変わる」「自然素材を使った」といった体験的な要素は、実際に手に取るまでわからないため、告知との相性が抜群です。
グッズをシリーズ化して収集欲を刺激する
1種類だけ制作するより、花の種類・季節・カテゴリ別に複数バリエーションを用意することで、来場者の「全部集めたい」という収集欲を刺激できます。「今日来たブースには3種類あって、隣のブースに行けば別のバリエーションがある」という設計は、ブース間の回遊を促し、滞在時間の延長にも貢献します。
外国人来場者に「日本の感覚体験」として届ける
海外から訪れた来場者への最も効果的なアプローチは、日本固有の植物や香りを体験として組み込むことです。桜・梅・ヒノキ・和のフローラルなど、日本の自然を感覚的に伝えるグッズは、帰国後に「日本で得た特別な体験の記念品」として長期間保管される傾向があります。一方で、説明文が日本語のみだと外国人来場者に情報が届きません。グッズに添えるミニカードや台紙に英語・中国語・韓国語での説明を入れることが最低限の配慮です。
閉幕後のSNS二次拡散を設計する
花博のような視覚的に美しい場所では、来場者がSNSに投稿する頻度が通常のビジネスイベントより格段に高くなります。グッズにSNS映えする要素(花柄・特殊加工・香り)と、投稿を促すハッシュタグやQRコードを組み込むことで、来場者発信の二次拡散が生まれます。この二次拡散は、会場に来られなかった潜在顧客への自然なリーチとして機能します。
なぜ香りが時間を超えて記憶に残るのか

花博の「花の香り」が記憶の錨になる
来場者が花博の会場で体験した花の香りは、その日の感動・高揚感・非日常の記憶とセットで刻まれます。帰宅後に同系統の香りを再び嗅いだ瞬間、花博の体験が感情ごと呼び起こされる、そのような経験は「プルースト効果」と呼ばれる現象として知られています。フランスの作家マルセル・プルーストが小説の中で描いた、香りが過去の記憶を鮮やかによみがえらせる体験に由来する比喩的な表現です。
香りが「記憶の錨」として機能し、その錨に結びついたブランドの印象が想起される、香り付きグッズが単なる「いい匂いのする製品」を超えた役割を担える可能性があるのはこのためです。
マイクロカプセル技術が花博の香りをグッズに封じ込める
香り付き印刷・加工では、マイクロカプセルと呼ばれる極小のカプセルに香料を封入し、素材に練り込みます。摩擦によってカプセルが破れる仕組みのため、グッズを触ったりこすったりした瞬間に香りが広がります。一度の摩擦で全カプセルが破れるわけではなく、何度繰り返しても香りが続く設計が可能です。
つまり来場者がグッズを手にするたびに、花博の記憶が繰り返し呼び起こされる体験設計が実現できます。
花と香りは言語・文化の壁を持たない
花の美しさへの感動と、花の香りへの感情的な反応は、言語・文化・国籍を問わず伝わりやすいものです。外国人来場者が多い花博という国際的な場で、言語に依存しないコミュニケーション手段として嗅覚を活用することは、理にかなった選択です。グッズに日本固有の花の香りを組み込むことは、「日本の自然」を直接体験させるアプローチとして機能します。
【関連記事】オーナー名刺はビジネスの「顔」であり生存戦略|記憶に残る設計で売上機会を最大化する方法
香り印刷所「プルースト」でグッズを制作する
久保井インキが手がける香り印刷所「プルースト」では、マイクロカプセル技術を活用した香り付きグッズの制作・印刷加工に対応しています。花博という「花と香りの祭典」に向けて、会場のテーマと共鳴する香り付きグッズを制作することで、来場者の記憶に長く留まるブランド体験を設計できます。
「桜の香り」「薔薇の香り」「ハーブの香り」など、花博のコンセプトに合わせた香りの種類を選定でき、グッズの一部にだけ香りを付けるゾーン加工にも対応しています。「ここを擦るといい香りがします」というひと言が、来場者との会話を自然に生み出します。
横浜花博2027に向けて「花の記憶と一緒に残るグッズ」を実現したい企業担当者の方は、ぜひ香り印刷所「プルースト」へお気軽にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
Q. グッズに香りを付けると費用はどのくらい変わりますか?
マイクロカプセル加工の追加費用はグッズの種類・数量によって異なりますが、単価あたりの増加は数十円程度が目安です。一方、来場者に保管される確率・記憶に残る確率が通常グッズよりも上がる可能性があるため、費用対効果の面では香り付き加工が優位になるケースも多く見られます。
Q. イベントに適したグッズの形状・サイズを教えてください
屋外・長時間滞在が前提のイベントでは、軽量・コンパクト・かさばらないグッズが基本条件です。ポケットやエコバッグに入るサイズで、汗や湿気に強い素材が理想的です。ポストカード・小型フレグランスカード・ミニブックレット・小分けパッケージなど、持ち帰りやすい形状から選ぶと来場者に負担をかけません。
Q. 外国人来場者向けにどんな対応が必要ですか?
最低限、グッズに添えるカードや台紙に英語での説明を入れることをおすすめします。QRコードで多言語対応のウェブページに誘導する方法も効果的です。デザイン自体は「日本の自然・花」というビジュアル言語で伝わりやすいため、テキスト情報の多言語化が主な対応ポイントになります。
Q. 発注数と納期の目安を教えてください
花博向けグッズは、開催の3〜4ヶ月前に発注を完了させておくのが理想です。香り加工・特殊加工が伴う場合は製造に4〜6週間程度かかることがあるため、早めのご相談をおすすめします。小ロット対応も可能ですので、試作・サンプル確認の段階からお気軽にご連絡ください。
まとめ:花博グッズは「渡した瞬間」ではなく「帰宅後」に真価を発揮する

横浜花博2027は、感情が動く体験の連続です。その場で手渡されるグッズは、来場者にとって単なる配布物ではなく、「あの日の記憶の入れ物」になり得ます。設計次第で、閉幕後も長くブランドを想起させ続けるツールになります。
花博らしさとブランドらしさを両立させたデザイン、屋外環境に耐える素材選定、デジタルへの動線設計、そして香りという感覚的な体験の組み込み、これらを掛け合わせたとき、グッズは「捨てられない理由を持った記念品」へと変わります。
花博向けグッズの企画をご検討中の方は、ぜひ香り印刷所「プルースト」にご相談ください。会場のテーマと共鳴する香り付きグッズで、来場者の記憶に長く残るブランド体験を一緒に設計しましょう。
香りの印刷所プルースト編集部
この記事は、香りの印刷所プルーストを運営している久保井インキ株式会社のプルースト編集部が企画・執筆した記事です。
香りの印刷所プルーストでは、香りの印刷をテーマにお役立ち情報の発信をしています。