コラム
店舗のブランディングで本当に有効な施策とは?記憶に残る「香り」の実践方法

内装にこだわり、ロゴやショップカードのデザインも整えた。それでも「なんとなく他店と似ている」と感じることはないでしょうか。SNSで見かける他店の投稿と自店を見比べて、どこか物足りなさを感じたことがある方もいらっしゃるかもしれません。店舗ブランディングは、視覚的な要素だけでなく、接客や香りといった体験全体を通じてつくられるものです。デザインを整えることは大切な出発点ですが、それだけで完結するものではありません。この記事では、店舗ブランディングを構成する要素をあらためて整理しながら、近年注目されている「香りを活用したブランディング」についてもご紹介します。
店舗ブランディングとは何か
内装や外観だけでは終わらない範囲
店舗ブランディングと聞くと、内装デザインやロゴ制作をイメージされる方が多いのではないでしょうか。しかし実際には、それだけにとどまりません。接客の言葉遣いや、店内に流れる音楽、来店時に感じる香りまで、顧客が五感で受け取るすべての要素がブランディングの一部になります。見た目を整えることは大切な第一歩ですが、それだけで「らしさ」が伝わるとは限らないのです。
ブランディングを構成する3つの要素
店舗ブランディングは、大きく次の3つの要素で構成されていると整理できます。
- 視覚要素:ロゴ・配色・内装・什器などの見た目
- 体験要素:接客やサービス、顧客とのコミュニケーション
- 五感要素:音・香りなど、視覚以外で伝わる印象
多くの店舗は視覚要素への投資は行っていますが、体験要素・五感要素まで意識的に設計できているケースはまだ少ないのが実情です。だからこそ、この2つに目を向けることが、他店との違いを生み出す一つの糸口になります。3つの要素は、それぞれ独立しているわけではなく、互いに影響し合っています。どれだけ内装が美しくても接客が伴わなければ印象は崩れますし、接客が丁寧でも空間そのものに個性がなければ、記憶には残りにくいものです。だからこそ、一つずつではなく、全体としてどう伝わるかを意識することが大切になります。
視覚で伝える店舗の世界観
ロゴ・配色・内装の一貫性
ロゴカラーと内装の配色、什器のトーンが揃っていることで、店舗全体に統一感が生まれます。この一貫性は、初めて訪れた顧客にも「きちんと作り込まれた店」という印象を与えてくれます。逆に、それぞれの要素がバラバラだと、どれだけ個々のデザインが優れていても、まとまりのない印象になってしまいます。ロゴだけを外部のデザイナーに依頼し、内装は別の業者にまかせるといったケースでは、こうしたちぐはぐさが生まれやすいため、全体を俯瞰しながら統一感を確認する視点が欠かせません。
什器やディスプレイでの表現
商品の並べ方やディスプレイの工夫も、視覚的なブランディングの一部です。同じ商品でも、見せ方によって伝わる価値は大きく変わります。棚の高さや商品同士の余白、照明の当て方といった細部の積み重ねが、店舗全体の印象を左右します。季節ごとにディスプレイを変えることで、常連の顧客にも新鮮さを感じてもらえるという効果も期待できます。
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体験として伝わるブランディング

接客・サービスが与える印象
どれだけ内装にこだわっても、接客の印象が伴わなければブランドイメージは崩れてしまいます。スタッフの言葉遣いや対応の丁寧さも、ブランディングの一部として設計する必要があります。マニュアル通りの対応ではなく、その店らしい言葉選びや距離感を意識することが、印象の差につながります。複数のスタッフが接客する店舗であれば、対応にばらつきが出ないよう、接客の方向性を共有しておくことも大切なポイントです。
顧客体験全体の設計
来店から会計、退店までの一連の流れを「体験」として捉え直すことで、視覚だけでは伝えきれない店舗の個性を表現できます。入店時の声かけ、会計時のちょっとした一言、見送り方まで、細部にわたって一貫性を持たせることが、記憶に残る店舗づくりにつながります。一つひとつは些細に思えるやり取りでも、積み重なることで「あの店はいつも気持ちがいい」という印象へとつながっていきます。逆に、どこか一箇所でも雑な対応があると、それまで積み上げてきた印象が一気に崩れてしまうこともあるため、体験全体を通した一貫性を意識することが欠かせません。
五感を使ったブランディングという視点
視覚・聴覚だけでは足りない理由
多くの店舗が視覚(内装・デザイン)と聴覚(BGM)にはこだわる一方、嗅覚へのアプローチはまだ一般的とは言えません。だからこそ、嗅覚は他店との差別化につながりやすい、まだ手つかずの領域とも言えます。競合が同じように内装や音楽に力を入れている中で、香りという要素を取り入れることは、選択肢としての幅を広げてくれます。「視覚と聴覚は整えたけれど、次に何をすればいいかわからない」と感じている店舗にとって、香りは新しい切り口になり得るのです。
香りという体験
心地よい香りに包まれた時間を過ごすと、その場の雰囲気そのものが良い印象として残りやすいと感じる方は少なくありません。香りは、目に見えるデザインとは違い、意識しなくても自然と店の空気の一部として感じられるものです。だからこそ、視覚的なブランディングだけでは表現しきれない部分を、香りが補ってくれることがあります。
香りブランディングの活用事例
アパレルブランドやホテルでは、店舗独自の香りを開発し、空間に取り入れる取り組みが広がっています。香りは、視覚的なブランディングでは表現しきれない「その店らしさ」を伝える手段になり得ます。決して大きなブランドだけの取り組みではなく、規模を問わず応用できる考え方だといえるでしょう。カフェであれば挽きたての豆の香りを、雑貨店であれば店独自にブレンドした香りを、というように、業種や取り扱う商品によって、取り入れ方の幅も広がります。大掛かりな空間演出でなくても、香りという要素を意識するだけで、店舗づくりの視点は大きく変わっていきます。
店舗ブランディングの進め方と費用感

コンセプト設計からスタートする
ブランディングは、デザインや香りといった個別の施策から始めるのではなく、まず「どんな店でありたいか」というコンセプトを言語化することから始まります。ここが曖昧なままだと、どれだけ個別の施策に力を入れても、方向性がぶれてしまいます。誰に、どんな時間を過ごしてもらいたいのかを言葉にしておくと、内装や接客、香りといった個別の施策を決める際にも、判断の軸として役立ちます。
費用感の目安
内装やロゴ制作にかかる費用は規模によって幅がありますが、香りを取り入れる施策は、内装工事などと比べて比較的小さな投資から始められる場合が多いのが特徴です。まとまった予算を確保できない場合でも、取り入れやすい施策から着手できるという点は、心強いポイントといえるでしょう。新規開業のタイミングであれば内装費と合わせて予算を組みやすい一方、既存店舗のリニューアルでは「全体を作り直すほどの予算はないけれど、何かを変えたい」という声もよく聞かれます。そうした場合こそ、既存のツールに手を加えるところから始める方法が現実的な選択肢になります。
小規模店舗でも取り組める範囲
大規模な改装をしなくても、ショップカードやDMなど、店頭で使う印刷物に香りを取り入れることから始めるという選択肢もあります。すでにある印刷物を活用できるため、新たに大きな設備を導入する必要がないのも魅力です。「まずは小さく試してみて、反応を見ながら広げていきたい」という進め方をとりやすいのも、印刷物から始めるメリットの一つです。
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香りをブランディングに落とし込む方法
香りをブランディングに取り入れたいと考えても、店内に香りを漂わせる設備投資はハードルが高いと感じる店舗も多いのではないでしょうか。そこで選択肢になるのが、ショップカードやDMなど、すでに使っている店頭ツールに香りを持たせるという方法です。
久保井インキが手がける香り印刷所「プルースト」では、マイクロカプセル技術を使い、ショップカードや案内状といった紙媒体に香りを定着させる制作に対応しています。会計時に手渡すショップカードや、来店後に届くDMからふわりと香りが感じられれば、それだけで他店にはない体験を提供できます。特別な設備を新たに導入する必要がなく、すでに配布しているツールに香りをプラスするだけで始められるのは、大きな利点です。
視覚・体験に続く3つ目の要素
3つ目の要素として香りを取り入れることは、大掛かりな改装をせずに始められるブランディング施策のひとつです。財布やカードケースの中でそのカードに触れるたびに、来店したときの記憶がよみがえるきっかけにもなるかもしれません。「プルースト」という名前も、香りとともにふと過去の記憶が呼び起こされるという、有名な文学作品の一場面に由来しています。
店舗独自の香りを一から開発するとなると、専門的な知識や時間が必要になりますが、香り印刷であれば、すでにあるショップカードやDMのデザインを活かしながら、香りという要素だけを新たに加えることができます。ロゴや配色はそのままに、香りをプラスするだけで、既存のツールに新しい価値を持たせられるのも、取り入れやすさにつながっています。店舗の世界観を、視覚やロゴだけでなく香りにまで広げてみたいと感じたら、こうした香り印刷という選択肢もぜひ検討してみてください。
よくある質問(FAQ)
Q. 店舗ブランディングとは何ですか?
内装やロゴといった視覚要素だけでなく、接客などの体験要素、香りや音といった五感要素まで含めて、顧客が店舗に対して抱く印象全体を設計することを指します。見た目だけでなく、店に関わるすべての接点が対象になります。単発のデザイン制作ではなく、継続的に一貫した印象を積み重ねていく取り組みだと捉えるとわかりやすいでしょう。
Q. 店舗ブランディングにはどんな要素がありますか?
大きく分けて、ロゴ・内装・配色などの視覚要素、接客やサービスといった体験要素、香りや音楽などの五感要素の3つに整理できます。それぞれをバランスよく設計することが、一貫した印象づくりにつながります。
Q. 小さな店舗でもブランディングは必要ですか?
規模の大小にかかわらず、顧客が店舗に対して抱く印象はブランディングの結果として生まれます。小規模店舗であっても、コンセプトを明確にすることで、一貫した印象をつくりやすくなります。むしろ規模が小さいほど、経営者や担当者の考えを店舗全体に反映しやすいという利点もあります。
Q. 香りを店舗ブランディングに取り入れるにはどうすればよいですか?
店内への香りの拡散設備を導入する方法のほか、ショップカードやDMといった印刷物に香りを定着させる香り印刷という方法もあります。設備投資のハードルが低く、小規模店舗でも取り入れやすい方法です。
まとめ:店舗ブランディングは、視覚・体験・五感の3要素をバランスよく設計することで完成します

店舗ブランディングは、内装やロゴといった目に見える部分だけで完結するものではありません。接客という体験の質、そして香りという五感の要素まで含めて、はじめて「その店らしさ」が伝わるものになります。特に香りは、まだ多くの店舗が取り組めていない領域だからこそ、他店との違いを生み出しやすいポイントでもあります。まずはショップカードやDMといった、すでに手元にあるツールから香りを取り入れてみる。そんな小さな一歩から、店舗ブランディングを見直してみてはいかがでしょうか。視覚・体験・五感という3つの要素をバランスよく整えていくことは、一度に完成させるものではなく、少しずつ積み重ねていくものです。今あるツールを見直すところから、自店らしいブランディングの形を探ってみてください。
香りの印刷所プルースト編集部
この記事は、香りの印刷所プルーストを運営している久保井インキ株式会社のプルースト編集部が企画・執筆した記事です。
香りの印刷所プルーストでは、香りの印刷をテーマにお役立ち情報の発信をしています。