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差別化戦略の成功例10選!具体的な事例から学ぶ競争優位の作り方と香りの活用法を解説

コラム 2025.5.7

世の中には、製品やサービスが生まれ続けており、似たものも探せば大量にあります。そのなかで、「会社の製品は他社と何が違うの?」と聞かれて、はっきり答えられないのであれば、価格競争に巻き込まれかねません。

だからこそ、差別化戦略として、お客様にとって「意味のある違い」を生み出し、長く続けられる形で届け続けることが大切です。この記事では、差別化戦略の基本的な考え方から具体的な成功事例、そして明日から実践できる差別化の方法まで、幅広く紹介します。

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差別化戦略とは

差別化戦略とは、競合他社と自社を区別する独自の強みを打ち出し、お客様に選ばれる状況を作り出す戦略です。アメリカの経営学者マイケル・ポーターが提唱した「競争優位の戦略」の1つで、他社にはない価値を生み出すことで「高くても売れる」状況を作り出します。

ポーターは基本戦略として、「コストリーダーシップ戦略」「差別化戦略」「集中戦略」の3つを挙げています。以下では、差別化戦略とそのほかの違いを説明するため、まずは全体像を掴みましょう。

コストリーダーシップ戦略との違い

項目 コスト戦略 差別化戦略
目指す方向性 低価格 独自の価値
対象市場 幅広い市場(価格志向層) 幅広い市場(価値志向層)
利益の源泉 薄利多売 高付加価値

コストリーダーシップ戦略とは、徹底的にコストを下げて業界でもっとも安い価格を実現し、「安くても儲かる」仕組みを作る戦略のことです。一方、差別化戦略は価格以外の要素でお客様に選ばれることを目指します。

コストリーダーシップ戦略が「いかに安く提供するか」に焦点を当てるのに対し、差別化戦略は「いかに独自の価値を提供するか」に焦点を当てるということです。差別化戦略では、価値志向層を対象に高付加価値で利益を生み出さなくてはなりません。

集中戦略との違い

観点 差別化戦略 集中戦略
対象市場の広さ 広い市場を対象とし、幅広い顧客層にアプローチ 特定のニッチ市場に焦点を当てる
リソースの配分 広範囲に価値を提供するためにリソースを配分 限られたリソースを特定の市場セグメントに集中させる
目指す優位性 幅広い層に対する独自価値を提供 特定層への徹底的な対応による優位性を追求

集中戦略とは、特定の狭い市場(地域やお客様層など)に経営資源を集中させる戦略のことです。差別化戦略との主な違いは、対象市場の広さとリソースの配分方法にあります。

平たくいえば、差別化戦略が「広い市場で独自の価値を提供する」のに対し、集中戦略は「狭い市場に資源を集中投下して突出した価値を提供する」というのが違いです。差別化戦略では、幅広い層に対する独自価値を提供するためにリソースを広く配分します。

【関連記事】ブランド認知とは?高めるメリットと調査方法・おすすめの手法を紹介

BtoC市場で成功した5つの差別化戦略の事例

では、本題に戻って、差別化戦略を実際に行った「BtoC」と「BtoB」の事例から具体的なイメージを持ちましょう。

まず、BtoC(企業から一般消費者向け)市場です。主に、感情的な価値や体験が重視される傾向にあります。以下の5社は、それぞれ独自の差別化戦略で成功を収めた事例です。

アップル

アップルの差別化戦略の核となるのは、「デザイン性」「操作性」「独自性」の3つの要素です。スティーブ・ジョブズは「ほかの人がやらないことをやる」という考え方を軸に、競合他社との差別化を図りました。

例えば、ウォークマンがカセットのスピーカーや録音機能を持っていた時代に、あえてそれらを取り除いて軽くした「iPod」を発売したのは良い例ではないでしょうか。結果として、価格が高くても「アップル製品を使いたい」というファンを世界中で獲得することに成功しています。

参照: DIAMOND ハーバード・ビジネス | スティーブ・ジョブズ流リーダーシップの真髄

スターバックス

スターバックスの差別化戦略の中心は「サードプレイス」という理念にあります。サードプレイスとは、自宅や職場とは違う「第三の居場所」のことで、人がリラックスして時間を過ごせる場所を提供するという考え方です。

コーヒー自体の品質は『当たり前』として、プラスアルファとなる居心地の良い空間と体験を提供することで、「高くてもスターバックスで飲みたい」というお客様の気持ちを生み出しています。スターバックスはコーヒーを売るのではなく、「居心地の良い空間」という体験価値を作ったのです。

参考: Starbucks Stories Japan |「おかえり」「ただいま」が聞こえてくる居心地の良い場所。サードプレイスの価値とは

ユニクロ

ユニクロは、コストリーダーシップ戦略と差別化戦略を組み合わせた独自のビジネスモデルを構築しています。ほかのファッションブランドがデザイン性や流行を重視するなか、ユニクロは「着心地の良さ」「機能性」「普段使いのしやすさ」を徹底的に追求しました。

「服を作るのではなく、服の常識を変える」という考え方を掲げ、シンプルなデザインながら、品質と機能性で差別化し、幅広い年齢層に支持されるようになっています。ヒートテックやエアリズムなど、独自のカテゴリーは耳馴染みのある方も多いでしょう。

参考: UNIQLO Sustainability 服を変え、常識を変え、世界を変えていく | 服のチカラを、社会のチカラに。

無印良品

無印良品の差別化戦略は「必要なものを、必要なかたちで」という思想にもとづいています。他社が「何かをプラスして」差別化を追求するなか、逆に「余計なものを省く」というアプローチで独自性を確立したのです。

無印良品は「引き算の美学」とも言える逆説的なアプローチで、他社にはない独自の世界観と価値を提供し続けています。一時期は業績不振に陥りましたが、本来の理念に立ち返り「無印良品らしさ」を全面に打ち出すことで復活も果たしています。

参考:Compact Life | 無印良品

モスバーガー

モスバーガーは、業界最大手のマクドナルドとの差別化を明確に図ったわかりやすい成功事例です。マクドナルドが「低価格・高回転率」を追求するなか、モスバーガーは「高品質・高価格」という逆の方向性で差別化しています。

1990年代のハンバーガー価格競争の時も、価格を下げずに品質へのこだわりを貫き、ブランド価値を守りました。「高くても品質にこだわりたい」というお客様層を獲得し、業界2位の地位を安定的に確保することに成功したのです。

参考:価格破壊でハンバーガー1個が65円に!マクドナルドが始めた「勝者なき過酷な安売り競争」に参加しないことで生き抜いたモスバーガーが得たものとは 「おいしい」を経済に変えた男たち|教養|婦人公論.jp

BtoB市場で成功した5つの差別化戦略の事例

次は、BtoB(企業間取引)市場です。BtoCと比較すると、感情よりも合理性や機能性、ROI(投資対効果)を重視する傾向があります。

とはいえ、単純な機能比較や価格競争に陥らないためには、BtoB市場でも差別化戦略が欠かせません。以下の5社は、BtoB市場での差別化に成功した代表的な事例です。

IBM

IBMは長年、IT業界のリーダー企業として進化を続け、時代の変化に応じた差別化戦略を実践してきました。クラウド時代の到来により、従来のハードウェア中心のビジネスモデルから大きく転換しています。

「ハードウェア企業」から「サービス企業」「ソリューション企業」へと自らを再定義し、顧客企業の根本的なビジネス課題に向き合い、単なるIT導入ではなく経営変革のパートナーとしての差別化を図りました。IBMは時代の変化を先読みし、ハードウェア中心から高付加価値のソフトウェア・サービス中心によって、常に業界の先頭を走る差別化に成功したのです。

参考: DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー ビジネス書作家・河野英太郎氏が選ぶ、自分を律するうえで拠り所となった論文 | HBRセレクション

キーエンス

キーエンスは、製造業向けのセンサーや測定機器などを提供する企業で、営業利益率50%以上という驚異的な収益性を誇ります。差別化の核となるのは「お客様の課題に合わせた製品開発」と「直販によるお客様との深い関係構築」です。

お客様の「困りごと」を深く理解し、それを解決する製品を素早く開発・提供するサイクルを確立しました。「お客様の声を直接聞き、素早く製品化する」という一気通貫の仕組みを構築することで、他社が真似できない独自の差別化に成功したのです。

参考:平均年収1位常連キーエンスの凄みは、営業利益率50%を生むニーズ先取り開発にあり – LabBase就職|研究を頑張る理系学生のための就活サービス

セールスフォース

セールスフォースは、CRM(顧客関係管理)ソフトウェアを提供する企業で、クラウドサービスの先駆者として差別化に成功しています。従来のパッケージソフトウェアが主流だった時代に、サブスクリプション型(定額制)のクラウドサービスという新しいビジネスモデルを確立しました。

単なるソフトウェア提供ではなく、お客様のビジネスプロセス改善を支援するパートナーとしての立ち位置を確立し、お客様体験の向上と継続的な価値提供を実現することで、CRM市場での圧倒的な差別化に成功。「No Software」(ソフトウェアは必要ない)というスローガンで、クラウドの利点を強調しています。

参考: セールスフォース・ジャパン|Saas事業の基礎知識・ビジネスモデルをわかりやすく解説

アドビ

アドビは、クリエイティブツールやマーケティングソリューションを提供する企業です。2012年に従来のパッケージ販売からサブスクリプション型(Creative Cloud)へと大胆な事業転換を図りました。

当初はサブスクリプション移行に対する反発もありましたが、継続的な価値提供によりお客様の理解を獲得し、最終的には安定した収益基盤を確立して、企業価値を大きく向上させることに成功しています。常に最新版のソフトウェアを使えるというメリットを前面に打ち出し、価値の伝え方を工夫したのです。

参考:サブスクリプション型ライセンスの導入でお客様のビジネスを加速

サンサン

サンサンは、法人向け名刺管理サービス「Eight」や「Sansan」を提供する企業です。従来はアナログで管理されていた名刺をデジタル化し、企業の営業活動や人脈形成を効率化するサービスを展開しています。

名刺という従来価値が低いと思われていた情報資産に着目し、新たな市場を創造しました。データの正確性へのこだわりと、営業活動や企業間連携への具体的な活用提案が評価されています。クラウド型サービスの特性を活かした継続的な機能向上も差別化の要因となっています。

参考:サンサン| 出会いから イノベーションを生み出す

【関連記事】ブランドマーケティングとは?メリットや戦略の立て方から4つの手法まで解説

差別化戦略の例から見る5つの成功パターン

これまで見てきた差別化戦略の成功事例から、共通する5つのパターンが見えてきます。

顧客視点を常に持つ

差別化戦略の成功企業に共通するのは「自社視点」ではなく「お客様視点」で考えていることです。「この機能を付けたい」「こんな技術を使いたい」という自社の都合ではありません。

事例で取り上げた多くの企業が、「お客様が本当に困っていることは何か」から発想しています。差別化のアイデアに行き詰まったら、一度自社の視点を捨て、純粋にお客様の立場になって考えることが打開策となります。表面的なニーズだけでなく、根本的な課題や悩みに向き合ってください。

適度に差別化へ投資する

差別化戦略には適切な投資が必要ですが、むやみに投資をすればいいわけではありません。成功例に挙げた企業は「どこに投資すべきか」を見極め、重点的にリソースを配分しています。

試し算であっても投資対効果を常に意識し、お客様の価値につながる領域のみに集中投資することが鍵です。一方で、差別化に関係ない部分では徹底したコスト削減を行うこともバランスを取るための検討事項です。こうしたメリハリのある投資は、差別化戦略を成功させる要因になります。

短期的視点で判断しない

差別化戦略はすぐに成果が出るものではなく、長期的な視点が欠かせません。短期的な利益や売上を追求するあまり、差別化のための取り組みを途中で諦めてしまう企業もあります。

しかし、差別化戦略はお客様の認識や行動パターンを変える必要があるため、時間がかかるのは当然のことです。例に挙げた企業がグッと耐えたように、短期的な数字に一喜一憂せず、お客様にとっての価値を信じて、忍耐強く継続してください。

競合分析は徹底する

差別化戦略では「自社の強み」だけでなく「競合との違い」を明確にする必要があります。成功例の企業は競合分析を徹底し、競合が提供していない価値を見つけ出しています。

競合の戦略、強み・弱み、お客様の評価などを多角的、そして客観的に分析し、「埋まっていない市場ポジション」を見つけることが重要です。単に「良いもの」では売れません。「競合と違うもの」「競合にないもの」を提供することが差別化の本質です。

社内リソースを考える

どれだけ素晴らしい差別化戦略でも、自社のリソース(人・モノ・カネ・情報・時間)で実現できなければ意味がありません。成功例の企業は、自社の強みを活かせる差別化戦略を選択し、効率性も意識しています。

差別化戦略を検討する際は、「その戦略を行うリソースがあるか」「継続的に維持できるか」を冷静に判断してください。自社リソースで無理なく実行できる差別化戦略こそが、持続可能な競争優位につながります。

手軽に取り組める香り印刷による差別化戦略の例

プルーストの「香りの名刺」は、視覚だけでなく嗅覚を活用した差別化戦略の1つとしても選べるため、多様な業種での導入をいただいてきました。

エレメンツ社労士事務所では、堅い印象を和らげるために香り付き名刺を採用。特に職人向けの研修では、香りが会話のきっかけとなり、緊張をほぐす効果がありました。

女優の香月蓮さんの事例は、記憶に残る挨拶を模索する中で香りの名刺を導入。香りが相手の記憶に残り、ふとした瞬間に自身を思い出してもらえるようにという気持ちが込められています。

最後の事例となる税理士法人マネイジブレーンでは、営業担当者が香りの名刺を活用し、名刺交換時の話題作りや印象付けに成功。香りが話のきっかけとなり、相手の記憶に残る効果がありました。

これらの事例から、香りの名刺は業種や職種を問わず、取り入れることが可能です。すぐに打ち出せる差別化戦略でお悩みでしたら、ぜひ香り付き印刷に対応したプルーストをご覧ください。

【関連記事】差別化をしたい方におすすめ!印象に残る香りつき名刺とは

香りが差別化戦略に有効な理由

とはいえ、突然香りが良いと言われても困惑するはずです。

実は、この香りを活用した差別化は、「嗅覚マーケティング」とも呼ばれ、近年注目を集めています。視覚や聴覚に比べて、嗅覚からの情報は記憶に強く結びつくという特性があるからです。

顧客に強く印象を残せる

人間の嗅覚はほかの感覚と違い、感情や記憶に直接結びつく神経経路を持っています。視覚情報に比べて、香りと結びついた情報は匂いを感じた時点ですぐに思い出されます。

これをプルースト効果と呼び、当時の香りと一緒にその瞬間を思い出しやすくなるのです。初対面のビジネスシーンでは、香りつき名刺によって「あの香りの名刺の人」と記憶に残りやすくなるといった具合です。結果として、他社よりも印象を強くできる差別化となり得ます。

少ない投資からスタートできる

差別化戦略というと大規模な投資が必要と思われやすいですが、香り印刷は比較的少ない投資からはじめられます。通常の印刷物に比べて若干のコスト増で香りを付加できるうえ、名刺など小ロットからはじめられるため、初期投資を抑えることができます。

差別化戦略に使えるリソースや予算を膨大に用意できない中小企業やスタートアップにとって、限られた条件下でインパクトを与えられる点が魅力です。最初は名刺だけ、次にパンフレットやDMへと段階的に展開することも可能です。

作成に社内リソースを必要としない

差別化戦略では、社内での体制構築や人材育成を要するケースも少なくはないでしょう。そういった点を検討していては、いつまでも実施にたどり着くことができません。

一方で、香り印刷であれば、対応した専門業者に外注することで簡単に実現できます。特別な知識や技術は不要で、必要に応じて香りの選定やデザインについてもアドバイスを受けられます。

社内リソースを割くことなく差別化を実現できるのは、香り印刷だからこそのメリットです。少しでも興味があれば、ぜひどのような製品があるかを下記からチェックしてみてください。

まとめ

製品やサービスがだれでも生み出せるようになった昨今、差別化戦略は競争の激しい市場で生き残るために欠かせない戦略です。成功事例や成功パターンからわかるように、差別化戦略の本質は単なる「違い」ではなく、お客様にとって「意味のある違い」を創り出し、それを持続可能な形で提供し続けることにあります。

だからこそ、お客様の本質的な課題や悩みに深く向き合い、その解決に独自の方法でコミットし続けることで、「意味のある違い」は自然と生まれ、持続可能なものとなります。香り印刷のような手軽にはじめられる差別化手法も含め、自社のリソースや強みを考慮しながら、お客様視点で差別化戦略を考えていきましょう。

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この記事を企画・執筆した人
香りの印刷所プルースト編集部

この記事は、香りの印刷所プルーストを運営している久保井インキ株式会社のプルースト編集部が企画・執筆した記事です。
香りの印刷所プルーストでは、香りの印刷をテーマにお役立ち情報の発信をしています。

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