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同人誌は安いだけでは売れない?印刷所のおすすめと選び方まで解説

同人誌を作りたいと考えた際、印刷費用の心配はないでしょうか。「できるだけ安く作りたいけど、安いだけで本当に売れるのかな」と不安に思う方も少なくありません。
もちろん、同人誌制作で安い印刷所を選ぶのはコストの面から見ればお得ですし、安く売れるはずです。しかし、ほかの作品との差別化も図らなくては”手に取ってもらうこと”はできません。
今回は、予算を抑えながらも魅力的な同人誌を作るためのポイントと、おすすめの印刷所を紹介します。
目次
同人誌は安いだけでは続けられない?
まず、同人誌がなぜ安いだけでは手に取ってもらえないのでしょうか。同人誌の販売価格を安くしすぎると、続けるのが難しくなってしまう理由からぜひ知ってください。
1. 値下げ競争に巻き込まれる
まず、ほかの作家との価格競争に巻き込まれると、同人誌で利益が出せない金額まで下がってしまいます。
同人誌即売会(作家が直接作品を販売するイベント)では、似たようなジャンルの作品が並ぶ結果、価格で比較されやすいです。「内容は手に取ってもらわないと伝わりにくい」からです。
また、一度安い価格で販売すると、次回からの値上げで不満の声が出ることもあります。「前回は○○円だったのに、なぜ高くなったの?」といわれてしまうと、価格を戻すのが難しくなります。
2. 価値やイメージが下がる
同人誌の品質が優れていても、「安いから質もそこそこかもしれない」と読者に思われてしまう危険性もあります。安すぎる価格設定は、作品の価値やあなた自身のイメージを下げることになりかねません。
安くて良いものを求める傾向があったとしても、損はしなくない「低価格には裏がある」とも考えてしまうものです。価格が安いだけで「手抜きなのかな」と判断されてしまうわけです。
3. 楽しくても継続できなくなる
安い同人誌を作り続けたとしても、売れても利益が出ない、売れないから楽しくないという悪循環に陥るケースもあります。同人活動は継続によって自らの技術も向上し、ファンも増えていくものです。
努力を継続しても制作費用が回収できないと、次の作品を作る資金がなくなってしまいます。楽しい同人活動を長く続けるためには、適切な利益の確保もまた1つの課題となります。
同人誌は安い印刷所を使えば販売価格を抑えられる

同人誌で安い印刷所を使えば、販売価格を抑えられます。高品質な用紙を用いたり、オリジナルの装飾を施したり、付加価値を添えて価値を高めることもできます。
浮いた費用を活動費に充てられる
安い印刷所であれば印刷費用を抑えられ、浮いたお金をイベント参加費や画材購入費などの活動費に回すことができます。同人活動には、印刷費以外にもさまざまな費用がかかるはずです。
全体の制作コストのなかでも、印刷はコストを落としやすい予算です。また、余った資金で新しい技法に挑戦したり、より良い画材を購入したりできれば、作品のクオリティアップにもつながります。
利益率を高められる
もし、同人誌の価格は据え置きのままで制作費用が安くなれば、以前と比べて利益を多めに得ることができます。利益率が高まれば、先に触れたように活動費に充てられますし、次回作の制作資金も確保できます。
例えば、印刷費用を1冊あたり100円削減できれば、100部販売した場合に1万円の差が生まれます。売れ行きが良いほど効果は高くなっていくため、品質を保ちながら印刷所を置き換えられないかの検討も一案です。
【関連記事】高品質の同人誌の印刷方法は?印刷所のメリット・デメリットを解説
初心者でも気軽に挑戦できる
初回の同人誌制作では、どれくらい売れるか分からないため、できればリスクを抑えたいものです。安い印刷所を利用できれば、初心者でも気軽に同人誌制作に挑戦できます。
通常、印刷となると機器をそろえなくてはならず、初期投資できないスタートの厳しい時期は非常に辛くなります。今では費用を抑えた小ロット(少ない部数)にも対応した印刷所も増えつつあるため、失敗を恐れずに挑戦してください。
安い同人誌印刷所を選ぶ5つのポイント
ここからは、安い印刷所選びで失敗しないために、事前に見ておきたいポイントを紹介します。
料金体系は明確か
まず安い印刷所を見つけたら、見積もりの段階で追加料金が発生しないかを必ず確認します。基本料金は安くても、オプション料金(追加の加工費用)が高額になってしまうことはしばしばあるからです。
確認する際には、送料や入稿データのチェック料金なども含めて、総額でいくらかかるのかを把握することが重要です。不明な点があれば、事前に問い合わせて確認してください。
少部数に対応できるか
次に見ておきたいのが、小ロットへ対応できるかです。同人誌では100部以下の少部数印刷が一般的ですが、印刷所によっては最小部数を定めています。
例えば、デジタル(オンデマンド)印刷なら1部から数十部〜100部未満が目安です。気軽に試作や少部数発行したい人向け、コストも抑えやすい特徴があります。
一方で、オフセット印刷だと100〜200部以上で安くなり、画質や統一感を重視する場合に向いています。いずれにおいても自分が作りたい部数に対応していなければ、無駄に刷ることになります。
不明な場合は問い合わせるのが確実ですが、オンデマンド印刷(デジタル印刷方式)なら10部程度から対応している印刷所がありますので、初心者でも選びやすいです。
求める用紙の種類があるか
次に、同人誌の表紙や本文に使いたい用紙の種類が選べるかもチェックポイントです。特殊紙(手触りや見た目に特徴がある紙)を使いたい場合は、対応している印刷所を選んでください。
用紙の種類によって、同人誌の印象や手触りが変わります。見た目だけであっても、他の同人誌との差をつけられることから、サンプルを取り寄せて実際に確認してみるのがおすすめです。
入稿方法が簡単か
初心者の方であれば特に、データ入稿(印刷用のデータを送る作業)が簡単にできるかもポイントです。Web上でファイルをアップロードするだけで入稿できる印刷所なら、余計な手間はかかりません。
複雑な手続きが必要な印刷所だと、入稿ミスが起こりやすくなりますが、その分だけ品質が高い傾向にあります。まずは完成を目指すというケースであれば、操作がわかりやすいシステムを持つ安い印刷所を見つけてください。
納期へ柔軟に対応してもらえるか
最後に、同人誌のイベント開催日に間に合わせるため、納期へ柔軟に対応してもらえるかも見ておきます。依頼からすぐ印刷して送ってもらえる安い印刷所なら、ギリギリまで原稿制作に時間をかけられるからです。
また、追加料金を払えば特急対応してくれる印刷所もあります。デザインや原稿に時間がかかったといった万が一の場合に備えて、こうしたサービスがあるかも調べておくと安心です。
少部数対応で安い同人誌印刷所おすすめ7選

では、実際に安い同人誌印刷所はどこにあるのでしょうか。ここからは、予算を抑えたい方におすすめの印刷所を紹介します。
プルースト
プルーストは、香り印刷という特殊な技術で、ほかの同人誌と差別化できる印刷所です。名刺サイズからA4サイズまで対応し、100部4,158円から利用できます。
ほかの印刷所にはない14種類の香りで差別化でき、擦ると香りを楽しんでもらえる仕組みになっています。香りの保証期間は出荷日より6か月です。読者に強い印象を残したい、ほかの作家とは一線を画したいという方はぜひご利用ください。
するる
するるは、複数の印刷所の料金を比較・検討できるサービスです。条件に合う印刷所を一覧で見比べでき、指定した印刷所への依頼が簡単にできるプラットフォームとなっています。
最安値を見つけやすくなるほか、見積もりや予約は不要で、希望の印刷所を選んでそのまま入稿手続きができます。少しでも安く抑えたいと考えたとき、簡単に印刷所選びができるのが特徴です。
ホープツーワン
ホープツーワンは、オンデマンド印刷セットで10部から注文可能な印刷所です。3日前入稿でも対応可能な短納期が魅力で、早期入稿割引も利用できます。
また、特殊紙の選択肢が豊富で、表紙・本文フルカラー本では本文用紙にマットコートも選択できます。同人誌を急いで印刷したい方はぜひ覗いてみてください。
オレンジ工房
オレンジ工房は、少部数の同人誌印刷に特化した専門店です。300冊以下の印刷では、価格面でオンデマンド印刷がお得になるような料金体系で運営されています。
2010年からオンライン入稿システムを導入しており、入稿データが非常に扱いやすくなりました。同人誌と同時に検討したい同人グッズも豊富な種類を小ロットで提供しています。
コミックグラフィック
コミックグラフィックは、高品質印刷を低価格で提供する印刷所です。オンデマンド印刷とオフセット印刷の両方に対応し、用途に応じて選択できます。
「かんたん入稿」システムで画像ファイルから簡単に入稿でき、初心者でも安心して利用できます。同人グッズの種類も豊富で、同人誌以外にも制作を検討している方は見ておきたいサービスです。
K9(ケーナイン)
K9は、基本セットによるお手軽発注が特徴の料金の安い印刷所です。オンデマンド同人誌は5部から、オフセット同人誌は50部から対応しており、まずは少なめからと考えている方にマッチします。
また、表紙フルカラーオフセットはPP加工(表面保護フィルム)が標準装備で、高品質な仕上がりが期待できます。同人歴豊富なスタッフによるサポートも充実し、初心者の方も安心です。
おたクラブ
おたクラブは、同人誌から各種グッズまで幅広く対応する印刷所です。冊子印刷だけでなく、アクリルグッズや布製品なども同時に発注できる柔軟性が強みです。
安い印刷所としてもよく取り上げられますが、シール・ステッカーやポストカードなどの小物印刷も得意分野で、同人活動に必要なアイテムを一括で注文できるのが便利です。
booknext
booknextは、ドラッグ&ドロップで簡単にデータアップロードができる印刷所です。電子ブックプレビュー機能でページ間違いに気づきやすく、初心者にも安心です。
オンデマンド印刷の欠点であったベタのテカリが軽減され、オフセット印刷に近い品質を実現しています。無料でサンプル請求も可能ですので、まず試してみたい方にも向いています。
【関連記事】同人のノベルティグッズにはどんなメリットがある?喜ばれるグッズは?
香り印刷でほかの同人誌と差別化を狙うのも有効

すでにおすすめでも触れましたが、単純に安い印刷所を選ぶだけでなく、香り印刷という特殊な技術を使ってほかの作品との差別化を図る方法もあります。
プルーストの香り印刷では、マイクロカプセル(香りを包んだ小さなカプセル)を印刷面に塗布し、指で擦ることで香りが漂う仕組みを採用しています。この技術により、視覚だけでなく嗅覚にも訴える同人誌を制作可能です。
香りは「プルースト効果」と呼ばれる現象を起こし、特定の香りを嗅ぐことで関連する記憶や感情が蘇ります。読者が同人誌の香りを嗅ぐたびに、作品や作家のことを思い出してもらえる可能性が高まります。
同人誌をより多く売りたい、少しでも興味を持ってほしいとお考えでしたら、ぜひご検討ください。
【関連記事】同人グッズを差別化する方法は?メリットとポイントも解説
まとめ
同人誌制作では、安い印刷所を選ぶことで制作費用を抑えられますが、安いだけでは長続きしません。適切な利益を確保しつつ、ほかの作品との差別化も図ることが重要です。
印刷所選びでは、料金体系の明確さ、少部数対応、用紙の種類、入稿方法の簡単さ、納期の柔軟性をチェックしてください。香り印刷のプルーストは、ほかの同人誌との差別化を図りたい方におすすめです。
視覚だけでなく嗅覚にも訴える同人誌で、読者に強烈な印象を残すことができます。予算を抑えながらも魅力的な同人誌を制作し、楽しい同人活動を長く続けていくためにもぜひご検討ください。
香りの印刷所プルースト編集部
この記事は、香りの印刷所プルーストを運営している久保井インキ株式会社のプルースト編集部が企画・執筆した記事です。
香りの印刷所プルーストでは、香りの印刷をテーマにお役立ち情報の発信をしています。