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紙質の種類ごとに異なる特徴19選|質感を左右するポイントやビジネスでの選び方
「ビジネス用途に合わせた紙質の選び方がわからない」「紙質の違いが印刷物の仕上がりにどう影響するのか知りたい」などの疑問をお持ちではありませんか?一言で紙と言っても、その種類は数千にも及び、用途や目的によって最適な選択肢が異なります。
同じ紙質でも厚みやサイズによって印象が大きく変わるため、ブランディングの観点からも慎重な検討が必要です。そこで本記事では、ビジネスシーンで使用頻度の高い紙質を中心に、その特徴や選び方のポイントを詳しく解説します。
目次
ビジネス用途別!紙質の種類一覧
まず、ビジネス用途別に、紙質の種類を一覧でまとめました。いずれも一例であり、求める質感に近い用紙を選ぶほど、相手に与える印象のイメージに近づきます。
ビジネス用途 | 紙の種類 | 特徴と適用例 |
会社案内・商品カタログ | コート紙、アートポスト紙、ハイマッキンレーアート、サテン金藤 | 写真やイラストの発色が優れている、高級感のある仕上がり、商品写真が美しく表現できる |
名刺・ショップカード | ミラーコート、マットポスト紙、スノーホワイト(アラベール)、ケント紙 | 厚みがあり高級感もある、手触りが良い、独特の質感で印象に残る |
企業パンフレット | マット紙、マットコート紙、ハイマッキンレーピュアダルアート、スノーホワイト(ヴァンヌーボVG) | 落ち着いた印象、文字が読みやすい、長時間の閲覧でも疲れにくい |
社内文書・配布資料 | 上質紙、色上質紙 | 筆記性が良好、コピー機での印刷に適している、手書きメモが取りやすい |
封筒・包装資材 | クラフト紙、薄葉紙 | 丈夫で破れにくい、軽量で郵送に適している、商品の保護や包装に最適 |
ギフト・贈答用 | 奉書紙、光沢紙 | 高級感のある見た目、贈答品としての格式が高い、記念品としても適している |
また、紙質と一緒にさらにビジネスユースにおいて差別化する際は、香りインキの使用もおすすめです。プルーストでは、厳選された14種類の香りと、印刷用紙の組み合わせで、記憶に残る印象的なコミュニケーションツールを実現します。
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【関連記事】インキなのに匂い漂う「香料インキ」を解説!|メリットは?どんな製品に使われている?
紙質を左右する2つのポイント
紙質とは紙が持つ特徴のことです。紙質の違いは様々な要因によって生まれますが、特に重要なのが原料と塗工の2つです。それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
原料
紙の品質の違いは、手触りや印刷性、紙の劣化しにくさに影響します。紙の品質は使われている原料の種類と白色度によって区分されています。一般的な用紙のグレードは、上質紙(上級紙)、中質紙(中級紙)、ざら紙(下級紙)の3種類です。
この種類のうち、中質紙やざら紙の原料には化学パルプ、または古紙を原料とした機械パルプなどが使われます。機械パルプが入ると、表面はざらざらとした手触りになりやすいです。この原料の違いは紙の白色度にも影響し、上質紙になるほど白色度は高い傾向にあります。
塗布
一般的に、紙に塗工される白色顔料などのコート剤が厚くなるほど、用紙の白色度があがり、平滑度が高く、きれいに印刷できる紙になります。塗工白色顔料などが塗工されている用紙(塗工紙)は、ベースに使用される紙の品質が高く、塗られている塗料は厚いほど品質も高いことが多いです。
また、塗工紙は上質紙や中質紙をベースに作られます。中質紙を使った塗工紙は上質紙をつかったものよりざらざらとした手触りになりやすく、塗工の度合いによって印刷時の発色や仕上がりも変わってきます。
【種類別】代表的な紙質ごとの特徴
紙質は、原料や塗布によって多くの種類があります。ここでは、代表的な4つの紙質と、その他の例を紹介します。ぜひ、目的に合わせた印刷用紙選びの参考にしてください。
コート紙(アイベスト
コート紙は、バージンパルプ等を原料とし、特殊な薬品を表面に塗布した印刷用紙です。一般的な広告チラシなどに多く使用され、表面がツルツルとして光沢もあるのが特徴です。
アイベストは、コート紙の一種で、ピュアな白さと美しい光沢、滑らかな肌合いを持ち、鮮やかな色彩と豊かな量感を再現します。印刷物の存在感が強調され、クオリティも高めやすい紙質です。コート紙は、インクののりが良く、写真や色の再現性に優れているため、高品質な印刷物にも適しています。
光沢紙(ミラーコート
光沢紙(ミラーコート)は、表面がグロス調で鏡のような光沢感を持つ高品質な印刷用紙です。表面にインクの受理層がコーティングされているため、にじみが少なく発色も非常に美しいのが特徴です。
また、厚手で、オモテ面は強い光沢があり、ウラ面は上質紙となっています。この特性により、写真やグラフィックの再現性に優れ、色彩を鮮やかに表現可能です。そのため、ショップカードやカタログの表紙、高級感を演出したいポスターなど、様々な印刷物に適しています。
光沢紙(エスプリ
光沢紙(エスプリ)は、鏡のような強い光沢と平滑性が特徴のキャストコート紙です。一般的なコート紙やマットコート紙の最上位に位置し、フルカラー印刷の適性が非常に高いのが特徴です。
表面に通常の2倍の塗工剤を使用し、キャストドラムでプレス加工することで、驚異的な光沢と平滑性を実現しています。写真やイラストの再現性に優れ、印刷物に高級感を与えるため、パンフレットの表紙やポスター、高級品のパッケージなど幅広い用途で使用されています。
ピュアホワイト(マシュマロ)
ピュアホワイト(マシュマロ)は、バガスパルプを10%以上配合した非塗工紙です。ソフトな肌合いが特徴的で、柔らかい仕上がりが魅力のファンシーペーパーとしても知られています。
えんぴつでの筆記にも優れた適性を持っており、紙の表面に特別な加工を施していないにもかかわらず、高い印刷品質を実現できる点もポイントです。上質な印象を与えたい印刷物や、手触りを重視するプロジェクトに適した用紙として、幅広い用途で活用できるでしょう。
その他の用紙
そのほかにも、以下のような印刷用紙の種類があり、目的に合わせて選ぶことができます。一例をまとめているため、ぜひ参考にしてください。
用紙名 | 特徴 |
マット紙 | 表面にマット系の塗料が塗られており、光沢が出ない |
マットコート紙 | 白色顔料などのマット系コート剤塗布、さらさらとした触感 |
マットポスト紙 | マットコート紙の倍以上の厚み、さらっとした手触り |
アートポスト紙 | コート紙の倍以上の厚み、つるつるした触感、色の再現性が優れている |
クラフト紙 | クラフトパルプ原材料使用、ざらつきのある手触り |
ケント紙 | 画用紙に似た見た目で、張りがあり厚みと固さを兼ね備える |
上質紙 | 非塗工紙、マット紙と同じ質感だが写真印刷時は色がくすむ |
奉書紙 | コウゾを原料とした厚手で白い和紙、命名書やお香典包みに使用 |
薄葉紙 | 薄手でふわふわした触感、包んだものが透けて見える |
水彩紙 | コットンや木材パルプ使用、にじみ止め処理済みで水彩画に適している |
色上質紙 | さらりとした手触り、あらゆる筆記具で書き込める高い筆記性 |
スノーホワイト(ヴァンヌーボVG) | 柔らかな手触りと細やかな表面、暖かい風合いとグロス感を持つ高級印刷用紙 |
スノーホワイト(アラベール) | 高級感のある、きめ細かい画用紙のような風合いと手触り |
ハイマッキンレーピュアダルアート | 自然な白さ、しっとりとした質感で印刷面は光沢を帯びる高級アート紙 |
サテン金藤 | キメ細かくしっとりした手触り、上品な発色と艶のある表現が可能 |
ハイマッキンレーアート | 最高級アート紙、強い白さと光沢感で高級感のある仕上がり |
紙質だけではない?3つの選び方
印刷用紙の選び方は、単に紙質を考慮するだけでは不十分です。実際には、厚み、サイズ、印刷方法という3つの要素を総合的に検討しなければなりません。以下で、詳しく解説します。
厚み
印刷用紙の厚みを表す単位として「斤量(きんりょう)」があります。斤量は、四六判(しろくばん)という原紙1,000枚の重さをキログラムで表したものです。
例えば、「コート90kg」や「マットコート110kg」といった表記で示されているのは斤量のことです。数値は、基本的に斤量の数値が低いほど薄く、高いほど厚くなります。
このことから、薄い紙を選んだ場合、表裏に印刷すると裏側が透けて見えることも考えてください。一方、厚い紙は高級感を出したり、耐久性を高めたりするのに適しています。
サイズ
日本で一般的に使用される印刷用紙の規格には「A判」と「B判」があります。印刷物の最終的な形態を考慮し、適切なサイズを検討しましょう。
最もよく使われるのはA4サイズ(210×297mm)とB5サイズ(182×257mm)です。一般的なコピー用紙やノートと同じ大きさで、多くの印刷物に適しています。
もちろん、用途によっては規格外のサイズが必要になることもあります。例えば、A4より少し小さいサイズや、A5に収まる正方形などの場合は、特殊なサイズとして注文することも印刷所によっては可能です。
印刷方法
紙質をどれだけこだわっても、印刷方法で印象がガラッと変わってしまうこともあります。
例えば、普通紙は文書などのモノクロ印刷には適していますが、写真などのカラー印刷には向いていません。そのため、高品質なカラー印刷を行う場合は、コート紙やマットコート紙などの特殊な用紙を選ぶ必要があるなどです。
用紙の使用目的という観点から見れば、クライアントへの提案資料など、しっかりとした印象を与えたい場合は、普通紙よりも上質紙を選び、印刷の印字は綺麗で読みやすいものが望ましいでしょう。
紙質のチョイスを含めたブランディングには香り印刷がおすすめ
プルーストでは、コート紙、光沢紙、ピュアホワイトなどビジネス向けの用紙に、14種類の香りを印刷可能です。そして、皆様のご要望にお応えするために、当社指定の香り印刷サンプルのセットをお送りするサービスを開始しました。
香り印刷は、視覚だけでなく嗅覚にも訴えかけることでより強い印象を残し、記憶に残る独自のブランドイメージを創出できる魅力と差別化の新たな手法です。香りは感情を呼び起こし、長期的な記憶を形成する力があり、従来型のブランディングに新たな次元をもたらします。
【関連記事】香りブランディングの効果とは?活用事例とあわせて解説
よくある質問(FAQ)
紙の種類は何種類?
紙は大きく分けて「和紙」と「洋紙」の2種類に分類され、全体では約50種類、さらに細かく分類すると数千種類にもおよびます。
洋紙は「紙」と「板紙」に大別され、「紙」には新聞巻取紙、印刷・情報用紙、包装用紙、衛生用紙、雑種紙などがあります。一方で、「板紙」はダンボールの原紙、紙器用板紙、その他(建材原紙、紙筒原紙)などが一般的です。
紙のランクは?
紙のグレードは、原料の種類と白色度に基づいて上質紙(上級紙)、中質紙(中級紙)、ざら紙(下級紙)の3種類に区分されます。上質紙は化学パルプ100%で白色度75〜95%、劣化しにくく商業印刷に使用します。
中質紙は化学パルプ40〜90%と機械パルプ10〜60%で白色度65〜75%、教科書や雑誌向けです。そして、ざら紙は化学パルプ40%未満・機械パルプ60%以上で白色度55%前後で、マンガ誌などに使用されます。
一般的に使われている紙は?
一般的に使われている紙は、コート紙、上質紙、マットコート紙の3種類が主流です。コート紙は表面が滑らかで光沢もあり、写真や色使いの多いデザインに向いています。
一方で、マットコート紙はつやを抑えた紙で、文字が読みやすく高級感のある落ち着いた印象を求めるケースに最適です。上質紙はコピー用紙のような手触りで、直接書き込みができるという特徴もあるため、実用性を求める場合に良いでしょう。
まとめ
ビジネス印刷において、コート紙、光沢紙、ピュアホワイトなどの紙質は、用途に応じた適切な選択が印象を大きく左右します。
基本的に紙質は、原料と塗工によって特徴が決まり、厚み、サイズ、印刷方法も考慮しておきたいポイントです。また、各種用紙にはそれぞれの特性があり、目的に合わせた選択が効果的なブランディングにつながります。
ただ、紙質だけにこだわっても差別化としては『弱い』と感じる方も少なくありません。プルーストでは、香り印刷を組み合わせることで、視覚と嗅覚の両方に訴えかける独自のブランディングを目指すことができます。
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香りの印刷所プルースト編集部
この記事は、香りの印刷所プルーストを運営している久保井インキ株式会社のプルースト編集部が企画・執筆した記事です。
香りの印刷所プルーストでは、香りの印刷をテーマにお役立ち情報の発信をしています。