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ムスクの香りってどんな匂い?効果・効能から選び方・種類・似た香りまで紹介

コラム 2025.5.25

だれもが、「あの人からいい香りがする」と思った経験があるはずです。今回紹介するムスクの香りは、そうした経験をした人を古くから魅了してきた歴史ある香りです。

この記事では、ムスクの歴史から種類、効果、そして活用法まで詳しく紹介します。香りに興味がある方はもちろん、ビジネスで香りを活用したいと考えている方もぜひ参考にしてください。

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ムスクの香りってどのような香り?

ムスクの香りは、一言で表すと「深みのある甘い香り」です。別名「麝香(じゃこう)」とも言われ、動物的な力強さと温かみのある香りが特徴です。「重厚感がある」「ふんわりとした印象」と表現されることもあります。

石鹸のような清潔感から官能的な深みまで、ムスクにはさまざまな表情があります。その奥深い魅力から、多くの香水や日用品に利用されているのです。

ムスク(麝香)の歴史

ムスク(麝香)の歴史は古く、昔から漢方薬の原料として使われてきました。強心剤(心臓の働きを強める薬)や媚薬としての効果があるとされています。

本来、ムスクは「麝香鹿(じゃこうじか)」と呼ばれる小柄な鹿の雄が持つ香嚢(こうのう)という器官から採れる分泌物を指します。これは雄のジャコウジカが発情期にメスを引き付けるためのフェロモン物質で、「温かみやセクシーさ」を持ち合わせています。

しかし現在、天然ムスクの流通は基本的に存在していません。種の保存と動物愛護の観点から、ワシントン条約(絶滅するおそれのある野生動植物の種における国際取引に関する条約)により取引が禁止されているからです。そのため現在流通しているムスクはほとんどが合成香料となっています。

参照:KASEAA 53(11) 774〜781

天然ムスクと合成ムスクの違い

天然ムスクと合成ムスクには、以下の違いがあります。わかりやすく、以下の表にまとめました。

項目 天然ムスク 合成ムスク
原料 ジャコウジカ由来。現在は取引禁止で希少。 人工合成。4種類あり、配合はメーカーによる。
香り 濃縮時は獣臭だが、希釈で甘く官能的。動物的な力強さ。 柔らかく清潔感のある香り。ホワイトムスクは石鹸のよう。
価格 古代では金の2倍。現在は高価でほぼ入手不可。 安価で香水や日用品に広く使用。
持続性 高く、ほかの香りを引き立てる。 種類により異なるが、天然に近い持続性を持つよう調整。

先にも触れましたが、現在私たちが使っているムスクのほとんどは合成ムスクです。とはいえ、合成技術の進歩により香りの質や効果は天然に近づいています。

ムスクとホワイトムスクの違い

ムスクとホワイトムスクの違いを理解するには、4つの観点から比較するとわかりやすいです。

項目 ムスク ホワイトムスク
香りの強さ 濃厚で重みがあり、深く官能的。セクシャルな印象。 清潔感のある石鹸のような香り。パウダリーで柔らかい。
使用シーン 夜の装いや特別な場面に適する。 日常的でシンプルなスタイルに合う。普段使い向き。
製造方法 かつては動物性、現在は主に合成。 ムスコン構造をもとにした完全な合成香料。
相性の良い香り オリエンタル系や重厚感のある香りと好相性。 フローラル系やシトラス系と好相性。清潔感を引き立てる。

同じように見えますが、ムスクとホワイトムスクはその特性において対照的な存在です。シーンや目的に応じて使いわけるのが良く、ビジネスシーンではホワイトムスクの与える清潔感のイメージが使いやすいでしょう。

ムスクの香りに期待できる効果・効能

ムスクの香りは科学的な研究も進んでおり、私たちの心や体に良い影響を与えることが分かってきています。ここでは、科学的に裏付けられた主な効果を紹介します。

ストレスの減少

2007年の研究では、ムスク、ローズ、フローラルという3種の香りを16名の健康な成人(男女各8名)に嗅いでもらい、唾液中のコルチゾール(ストレスホルモン)とテストステロンの変化を測定しました。

結果として、ムスクを含むこれらの香りを嗅いだ後、唾液中のテストステロン(体内で生成される代表的な男性ホルモン)や17β-エストラジオール(主に卵巣で作られるとされる女性ホルモン)の濃度が高まることが示されました。ホルモンバランスが整うことで、ストレスを軽減できる効果が期待できます。

参照:(PDF) The effects of odor on cortisol and testosterone in healthy adults

注意力や認知機能の向上

2025年のパイロット研究では、ホワイトムスクのアロマオイルを10分間吸入した参加者において、脳波のベータ波およびガンマ波の活動が増加し、注意力や認知機能の向上が示唆されました。

ベータ波とガンマ波は、脳の活動状態を表す脳波の一種です。ガンマ波は、瞑想(めいそう)など高次の精神活動の際に出やすいとされています。ホワイトムスクの香りがこのガンマ波を活性化させることで、集中力や思考力の向上につながる可能性があります。

参照:(PDF) A pilot study on the effects of olfactory stimulation with white musk aromatic oil on psychophysiological activity:a crossover study

気分の改善

POMS 2(気分状態プロファイル)という心理テストによる評価では、ムスクの香りを嗅いだ後に疲労感や緊張・不安のスコアが有意に減少し、全体的な気分の改善が報告されています。

これにより、ムスクの香りが人間の嗅覚を通じて脳内の快楽中枢(かいらくちゅうすう)を刺激し、幸福感や安らぎをもたらすと考えられます。この作用によって、気分が前向きになり、良い感情が増す効果が期待できるのです。

参照:(PDF) A pilot study on the effects of olfactory stimulation with white musk aromatic oil on psychophysiological activity:a crossover study

【関連記事】香りと不安の関係性は?主な作用や香りの種類を解説

自分にぴったりのムスクの香りを見つける3つのポイント

ムスクの香りといっても種類は多様で、それぞれ特徴が異なります。自分に合ったムスクの香りを見つけるためには、以下の3つのポイントを押さえておくと良いでしょう。

好みの香りか

まず第一に、自分自身が心地よいと感じる香りかを確認しましょう。ムスクといっても、ホワイトムスクのように清潔感のある香りから、レッドムスクのように官能的な香りまで幅広いバリエーションがあるからです。

また、季節によっても香りの感じ方は変わります。暑い夏には軽やかな香りが、寒い冬には温かみのある香りが心地よく感じやすいです。香りを選ぶ際には、香水売り場でテスターを利用したり、少量サイズを購入したりして試してみましょう。

シーンや状況に合うか

ムスクの香りは、使うシーンや状況によって選びわけることが大切です。TPO(Time:とき、Place:場所、Occasion:場合)に合わせた香りの選択が、周囲からの印象を良くします。

ムスクは夜の装いに、ホワイトムスクは日常のシンプルなスタイルに合わせやすい香りとして使い分けられます。ビジネスシーンでは清潔感のあるホワイトムスクが好まれます。強すぎる香りは避け、さりげなく香る程度にするのがマナーです。

体質との相性は問題ないか

ムスクの香りを選ぶ際には、自らの体質との相性も見ておきたい要素です。どれだけ良い香りでも、アレルギー反応が出たり、頭痛の原因になったりしては元も子もありません。

まず、新しい香りを試す際には、少量を手首や肘の内側などの狭い範囲につけて様子を見ることをおすすめします。皮膚に赤みやかゆみなどの反応が出ないか確認しましょう。また、香りを嗅いで気分が悪くなったり、頭痛がしたりする場合は使用をやめるべきです。

フレグランス市場にある代表的な8種類のムスク

フレグランス市場にはさまざまな種類のムスクがあり、それぞれ特徴的な香りを持っています。ここでは代表的な8種類のムスクについて紹介しますので、自分好みのムスクを見つける参考にしてください。

ホワイトムスク

ムスク系の香りの中で、もっとも一般的な香りがホワイトムスクです。麝香鹿から摂れる天然ムスクを科学的に作り出した香りで、天然ムスクの香りと区別するために「ホワイトムスク」と名付けられたとも言われています。

香りの特徴は甘くパウダリーで温かみがあり、石鹸のような香り、お風呂上がりの香りとも表現されます。清潔感があるため、日常使いにも適していますし、ビジネスシーンでも好まれる香りです。

レッドムスク

ホワイトムスクと異なるスパイシーさを持ち、より官能的な香りがレッドムスクです。暖炉の前にいるような強い温かみを感じる香りが特徴で、女性だけではなく男性にも合いやすい香りです。

個性的な香りなので、香水をある程度使い慣れている方におすすめです。ただし、個性が強い香りでもあるため、身に付ける場合はごく少量からがおすすめです。

カシミアムスク

柔らかく滑らかな肌触りを持つ「カシミア」をイメージしたムスクの香りがカシミアムスクです。ホワイトムスクより香りの広がり方が控えめで、穏やかな点が特徴です。

保湿保温効果の高い、高級素材のカシミア。そのふんわりとした手触りのカシミアをイメージして作られたのがこのカシミアムスクで、ほんのりと優しく広がることから、使いやすい香りとなっています。

ブラックベリームスク

ムスクの甘さにベリー系の爽やかさや、瑞々しさをプラスしたような香りがブラックベリームスクです。ベリー系ならではの甘酸っぱさが、少女の天真爛漫(てんしんらんまん)な魅力や儚い美しさを演出します。

ムスク特有の甘さに、ベリー系の甘酸っぱさが加わったブラックベリームスクは絶妙に調和した香りに仕上がっています。少女のような可憐さと深い温かみを感じる香りで、個性的なムスクを好む人におすすめです。

ウッディムスク

こちらも名称の通り、森や大木を思わせる、どこか爽やかな香りを持つムスクを指します。ホワイトムスクより甘さが控えめなので、男性向けの香水にもよく使われます。他にも甘すぎる香りが苦手な人にもおすすめです。

やわらかく甘い雰囲気が特徴で、ホワイトムスクよりも優しい香りを求めている人にもぴったりです。自然の木々を思わせる爽やかさと落ち着きを併せ持つ香りで、深みのある印象を与えてくれるでしょう。

クリスタルムスク

ムスクを香水として利用する際、最初の15分間で香る「トップノート」と呼ばれるときの香りが控えめなものをクリスタルムスクと呼びます。香りの広がり方がさりげないので、さまざまなムスク系の香水で利用されます。

香水では、トップノートで香水の第一印象が決まります。クリスタルムスクはこのトップノートが控えめで、さりげなく香りが広がるやわらかなムスクです。名前の通り、透明感のある清らかな印象を与えてくれます。

パウダリームスク

ホワイトムスクのパウダリーな甘さを、より強く感じられる香りがパウダリームスクです。官能的というより高級感を覚える香りなので、身につける以外にも使い勝手が良い点も特徴の1つです。

香水の他にルームフレグランスなどでもよく利用されている香りです。ベビーパウダーのような優しく柔らかな香りが特徴で、清潔感と女性らしさを感じさせます。

マンダリンムスク

甘い香りのムスク系香水には珍しく、爽やかな柑橘系の香りが特徴のマンダリンムスクです。いろいろなムスクを体験したあとにマンダリンムスクを試してみると、面白い気分転換になるかもしれません。

マンダリンオレンジの爽やかさと、ムスクの甘さが見事に調和した香りです。ムスクの他にシトラス系やフローラル系、ウッド系の香りを配合した使いやすい香りになっています。爽やかさやフレッシュさの根底に温かみを感じるような、普段使いにも適した香りといえるでしょう。

意外と身近?ムスクに似た香りは何がある?

ムスクの香りは特別なものと思われやすいですが、実は私たちの身近にも似た香りを持つものがたくさんあります。以下の5つは、日常で出会えるムスク系の香りです。

  • 懐かしの白い石鹸(プルースト取り扱い)
  • 赤ワイン
  • アンブレッドシード精油(植物から抽出した油)
  • 高級皮革製品
  • 白檀(サンダルウッド)

これらの身近な香りからも、ムスクのような深みや温かみを感じることができます。特別な香水を買わなくても、日常の中にムスクに近い心地よい香りはたくさん存在しているのです。

香りの印刷所プルーストでは、ムスクに似た「懐かしの白い石鹸」の香りを取り扱っています。名刺や資料に香りをつけることで、相手に印象を強く残すことができます。ビジネスで差をつけたい方は、ぜひ一度お試しください。

【関連記事】石鹸の香りはどんな香り?ビジネスに取り入れて清潔感アップがおすすめ

ビジネスで好印象を与えるムスクの4つの活用シーン

ここでは、ビジネスで好印象を与えるムスクの4つの活用シーンを紹介します。適切な場面で適切な香りを身につけることで、ビジネスでの印象アップにつなげましょう。

重要な商談前に利用する

重要な商談や会議の前にムスクの香りを活用することで、自信を持って交渉に臨むことができます。例えば、ホワイトムスクやクリスタルムスクなど、清潔感のある控えめな香りがビジネスシーンには適しています。

香り付きの名刺を使って、「名刺を匂ってみてください」と人とは違う挨拶をすることで、あとで見たときにふわっと漂う香りできっと顔を思い出してもらえます。ただの香りが、印象に残る自己紹介の1つの方法となるのです。

オフィスでの日常使いに取り入れる

オフィスでの日常使いには、清潔感を持ちつつ主張しすぎない香りが適しています。なかでも、ホワイトムスクやカシミアムスク、ウッディムスクなどは選びやすい香りです。

アロマディフューザー(香りを拡散する装置)を利用すれば、店舗のブランディングやオフィスでの仕事に集中しやすくさせるなど、香りの効果を実感しやすいでしょう。デスクに小型のディフューザーを置くのも良い方法です。

出張時の疲れを和らげる

出張はどうしても疲れがたまりやすいものです。ホテルや移動中に少しでも快適に過ごすために、ムスクの香りを活用しましょう。

例えば、お気に入りの本と一緒にいつも持ち歩いてもらえるしおりはどうでしょうか。香りをつければ癒しとともに、そのことをもっと知りたくなりますし、移動時間の読書も自然に落ち着いて楽しめます。

プレゼンテーションで自信をつける

プレゼンテーションは緊張するものですが、ムスクの香りを身につければ自信を持って臨むことができます。ムスクは香りの持続性が高いため残り香を生み、ベースノート(香りの土台となる部分)に使われるのが一般的です。

そのため、長時間のプレゼンテーションでも香りが持続するので効果的です。好きな香りの香水を使うのもおすすめで、良い香りを身に纏っているとリラックスした状態を保ちやすくなります。

まとめ

ムスクは深みのある甘い香りで、温かみと官能的な印象を与える特別な香料です。もともとは麝香鹿から採取されていましたが、現在では合成香料が主流となっています。

ムスクの香りには科学的にもストレス減少、注意力向上、気分改善などの効果が期待でき、ビジネスシーンでの活用も効果的です。ホワイトムスクやクリスタルムスクなど、さまざまな種類があるので、シーンに合わせて使いわけることをおすすめします。

香りの印刷所プルーストでは、名刺やショップカードに香りを付けるサービスを提供しています。ビジネスでの印象アップにぜひご活用ください。あなたらしい香りで、周りと差をつけましょう。

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香りの印刷所プルースト編集部

この記事は、香りの印刷所プルーストを運営している久保井インキ株式会社のプルースト編集部が企画・執筆した記事です。
香りの印刷所プルーストでは、香りの印刷をテーマにお役立ち情報の発信をしています。

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