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紙の厚さはどんな単位で示す?用途別の選び方
「名刺の紙を選ぶときに厚さの単位がわからない」「カタログの用紙を発注する際、連量って何を意味するのか困惑した」「取引先への提案書、どの厚さの紙を選べばいいのかわからない」ー。印刷物の発注時に、このような悩みを抱えていませんか?
紙の厚さを表す単位には「連量(れんりょう)」「μm(マイクロメートル)」「g/㎡(グラム/平方メートル)」など複数の指標があり、それぞれ異なる基準で厚さを示しています。この単位を正しく理解していないと、想定と異なる仕上がりになってしまうかもしれません。
そこで本記事では、紙の厚さを表す各単位の意味から、印刷物の種類別に最適な厚さの選び方まで解説します。特に、ビジネス用途で頻繁に使用される印刷物に焦点を当てるため、より良い成果物を目指している方は、ぜひ最後までご一読ください。
目次
紙の厚さを示す単位は?
印刷業界では、用紙の厚さを「連量(れんりょう)」と呼ばれる独自の単位で表現します。一定サイズの用紙1,000枚を重ねた時の重さを示すもので、数値が大きいほど1枚あたりの紙は厚くなるのです。
例えば、名刺によく使用される「180kg」という表記は、基準となるサイズの用紙1,000枚分の重さが180kgであることを意味します。ビジネスで印刷物を発注する際は、この「連量」という単位を理解しておくことで、用途に合った適切な用紙を選択できます。
連量とは
連量(れんりょう)とは、印刷用紙の厚さを示す単位のことです。四六判(788mm×1,091mm)や菊判などの定められた大きさの用紙1,000枚(これを「一連」と呼びます)を積み重ねた時の重量を表します。
例えば、一般的なチラシでよく使用される「90kg」という表記は、基準サイズの用紙1,000枚の重さが90kgであるということです。同じ種類の用紙であれば、連量の数値が大きくなるほど1枚あたりの紙は厚くなります。
ただし、紙の種類が異なる場合、同じ連量でも実際の厚さは若干異なります。そのため、連量は紙の厚さの「目安」として捉えることが重要です。
【用途別】目安は?紙の厚さの選び方
印刷物の用途によって最適な紙の厚さは大きく異なります。目的や使用頻度、予算に応じて適切な厚さを選ぶことでよりよい印刷物を作成できるため、以下で確認しましょう。
一般的な印刷物
印刷物の種類によって、一般的に使用される紙の厚さは以下のように分かれています。
- 新聞:40〜45g/㎡程度の薄い用紙を使用し、大量印刷と配布のしやすさを重視
- コピー用紙・一般的なチラシ:64〜70g/㎡(約55kg)で、もっとも一般的な厚さ
- 年賀状:180〜190g/㎡程度で、高級感と書きやすさを両立
- フライヤー・パンフレット:90〜110kg程度で、手に取りやすく破れにくい
- 名刺:180〜220kg程度が一般的なビジネス用として広く採用
各紙の厚さは「必要十分な品質」と「適正なコスト」のバランスポイントとして、長年のビジネス慣習の中で最適化されてきたものともいえます。コストパフォーマンスと機能性の両立を考えて選ぶとよいです。
ビジネス用途の印刷物
ビジネスシーンでの印刷物は、用途や目的によって適切な厚さを使い分けることも可能です。例えば、薄め(90〜135kg)が適している印刷物と用途は、以下のとおりです。
- 営業用の提案書や見積書
- サービス紹介資料
- 社内向け報告書
- 一般的なカタログ
薄めの印刷物は単価を抑えられるため、コスト効率がよく、また保管時もかさばりにくいという実用的なメリットがあります。一方で、厚め(180〜220kg)が適している印刷物と用途は以下が挙げられます。
- 企業プロファイル
- 高級商品カタログ
- 重要顧客向けの提案書
- 記念品として配布する印刷物
- 招待状や案内状
厚めの印刷物は高級感があり、手触りも良いため、重要な商談や特別な場面での使用に適しています。特に、企業やブランドのイメージを重視する場面では、印刷物の質感を意識すると良いでしょう。
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【単位別】紙の厚さ
印刷物の用紙選びで重要となる紙の厚さについて、連量(kg)と実際の厚み(mm)の対応を整理しました。用途に応じた適切な厚さ選びの目安としてご活用ください。
連量(kg) | 厚さ(mm) | 一般的な例 |
55k | 約0.07mm | コピー用紙 |
70k | 約0.09mm | 厚口コピー用紙 |
90k | 約0.09〜0.13mm | チラシ・カタログ |
110k | 約0.10〜0.16mm | パンフレット |
135k | 約0.13〜0.19mm | CDジャケット |
180k | 約0.24mm | 賞状 |
200k | 約0.22mm | 官製はがき |
220k | 約0.25〜0.30mm | 商品タグ |
以下では、それぞれを簡単に紹介します。
55k
一般的なコピー用紙(PPC用紙)と同等の厚さを持つ55kは、ビジネス文書や社内資料の印刷に最適な厚さです。四六判(788×1091mm)の上質紙1000枚分の重さが55kgとなることから、この呼び方が定着しています。
文字の裏抜けが気になる場合は避けた方が無難ですが、両面印刷でもコストを抑えられる経済的な選択肢として人気があります。デジタル印刷との相性も良く、オフィスでの日常的な使用にもぴったりです。、
70k
厚口コピー用紙と同等の約0.09mmの厚さを持つ70kは、ビジネス文書からプレゼン資料まで幅広く活用できる汎用性の高い用紙です。四六判(788×1091mm)の上質紙1000枚で70kgとなる重さから、この単位が付けられています。
55kより若干厚みがあるため、両面印刷時の裏抜けが少なく、カラー印刷でも美しい仕上がりが期待できます。一般的なレーザープリンターやインクジェットプリンターでも問題なく印刷可能です。
90k
約0.09~0.13mmの厚さを持つ90kは、一般的なチラシやカタログに適した厚みです。四六判(788×1091mm)のコート紙1000枚分の重さが90kgとなります。
70kと比べてしっかりとした手触りがあり、商品カタログやプロモーション資料として高級感のある仕上がりを実現できます。両面カラー印刷でも裏抜けの心配が少なく、写真やイラストの再現性にも優れているのもポイントです。
110k
約0.10~0.16mmの厚さを持つ110kは、パンフレットや小冊子の本文に適した厚みです。四六判(788×1091mm)の用紙1000枚分で110kgとなる重さから、この単位となっています。
90kよりさらにしっかりとした質感があり、高級感のある印刷物を作成できます。カタログやパンフレットの中でも、特に重要なページや表紙の次のページなど、印象を重視したい箇所に使うと効果的です。
135k
0.13~0.19mmの厚さを持つ135kは、CDジャケットや商品パンフレットの表紙に最適な厚みです。しっかりとした手触りと高級感があり、重要な販促ツールとして活用できます。
特にポスターやカタログの表紙では、その存在感と耐久性から多く採用されています。印刷物に格調高い印象を与えたい場合や、長期保存を想定している場合におすすめです。
180k
約0.24mmの厚さを持つ180kは、賞状と同等の厚みがある用紙です。高級感と重厚感を兼ね備え、特別な用途に適しています。
表彰状や証書、重要な文書など、格式の高い印刷物に使用するとよいでしょう。しっかりとした手触りと存在感があり、受け取った人に特別な印象を与えることができ、大切な場面で使う印刷物にはこの厚さがおすすめです。
200k
官製はがきと同等の約0.22mmの厚さを持つ200kは、ポストカードや案内状に最適な厚みです。しっかりとした剛性があり、単体での郵送にも耐えられる強度を持っています。
高級感のある DM や招待状、記念品として配布するポストカードなど、受け取る人への印象を大切にしたい印刷物に適しています。
220k
約0.25~0.30mmの厚さを持つ220kは、もっとも厚みのある用紙の1つです。化粧品の箱やパッケージ、商品タグなど、耐久性と高級感が求められる用途に適しています。
しっかりとした手触りと存在感があり、ブランドイメージを高めたい場合に効果的です。ただし、一般的なプリンターでは印刷が難しいため、プロの印刷サービスの利用をおすすめします。
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kgだけではない?紙の厚さを示す単位
印刷物の用紙選びでは、一般的によく使用される連量(kg)以外にも、μm(マイクロメートル)やg/㎡(坪量)といった単位が存在します。この単位は、それぞれ異なる視点から紙の厚さを表現しており、用途や業界によって使い分けられています。
μm(紙厚)
μm(マイクロメートル)は、紙の物理的な厚みを直接的に表現する単位です。1μmは100万分の1メートル(0.001mm)という細かい単位で、紙の実際の厚さを正確に測定できます。
例えば、一般的なコピー用紙は90μm程度の厚みがあります。μmでの表記は、用紙の重ねあわせや折り加工を行う際の計算がしやすく、最終的な製品の厚みを予測する際に役立つ単位です。
g・g/㎡(坪)
g/㎡(坪量)は、1平方メートルあたりの用紙重量を示す単位です。一見すると重さの単位で厚みを表すのは不思議に感じるかもしれませんが、紙の重量と厚みには強い相関関係があります。
つまり、坪量が大きくなればそれだけ紙は厚くなるという原理です。この単位は特にヨーロッパを中心に国際的に広く使用されているほか、印刷機の給紙設定や用紙の取り扱い方法を決める参考値としても活用されています。
よくある質問(FAQ)
最後に、印刷物の発注時、紙の厚さに関してよくある質問へ回答します。
紙の厚みの単位がkgなのはなぜですか?
紙の厚み(紙厚)の単位にkgが使用されるのは、原紙を1,000枚重ねた時の重さを基準としているためです。例えば、「90kg」という表記は、788mm×1091mmサイズの用紙1,000枚の重さが90kgであることを示しています。
この独特な表記方法は日本の印刷業界で長年使用されてきた慣習です。一見複雑に思えるかもしれませんが、この単位を使うことで、印刷業界全体で統一された基準での取引が可能になっています。
紙の厚さを表す単位「μm」とは?
μm(マイクロメートル)は、紙の厚さを直接的に表す単位です。1μmは1000000分の1メートル、つまり1μm=0.000001m=0.001mmという細かい単位です。
この単位は特に技術的な場面や、より正確な厚さの指定が必要な場合に使用されます。特殊な印刷物や国際取引の場面で、μm表記が重要な意味を持つこともあります。
まとめ
印刷物の品質を決定づける重要な要素である紙の厚さは、連量(kg)、μm(マイクロメートル)、g/㎡(坪量)など、複数の単位があります。ビジネス印刷物の基本的な目安としては、以下のとおりです。
- 名刺:180〜220kg
- カタログ・パンフレット:110〜135kg
- 提案書:90〜110kg
- 社内資料:55〜70kg
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香りの印刷所プルースト編集部
この記事は、香りの印刷所プルーストを運営している久保井インキ株式会社のプルースト編集部が企画・執筆した記事です。
香りの印刷所プルーストでは、香りの印刷をテーマにお役立ち情報の発信をしています。