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営業の名刺交換はどうしたらいい?マナーから強く印象を残す活用法・デザインまで紹介

営業で名刺交換をするとき、どのようなことに気をつけているでしょうか。もし、情報が書かれた紙切れを渡しているだけなら、「商談の機会を失っているかも」しれません。
名刺は営業担当者の第一印象を形成するからこそ、その後のコミュニケーションの土台として使いましょう。この記事では、営業における名刺の重要性から、交換のマナー、活用法、デザインのポイントまで分かりやすく解説します
目次
営業成功の鍵となる4つの名刺の役割

名刺は、単なる連絡先交換のツールではありません。営業活動において、以下の4つの役割を担っています。
顧客との信頼関係を構築する
きちんとしたデザインの名刺を丁寧に渡すことで、相手に「この人は信頼できる」という印象を与えることができます。ビジネスにおいて、今後の取引で大切な信頼を築く1つの要素だからです。
- 汚れた名刺や情報が見づらい名刺を渡す営業担当者
- きちんと整理された見やすい名刺を両手で丁寧に渡す担当者
上記に分けて考えれば、相手に与える信頼感に差が生まれるのが一目瞭然です。
自社ブランドをアピールする
名刺は、自社のブランドイメージを伝える小さな広告媒体(こうこくばいたい)でもあります。デザイン、紙の質、印刷の質など、すべてが会社の印象に直接つながると考えてください。
例えば、広告会社の営業担当者が平凡なデザインの名刺を渡せば、「本当に創造力のある会社なのだろうか」と疑問を持たれるかもしれません。名刺は、自社の価値観やブランドイメージを小さなスペースに凝縮して伝える役割も担っているのです。
営業活動の第一歩を円滑に進める
名刺交換は、営業活動の最初の接点として、その後の会話をスムーズにはじめるきっかけとなります。名刺に記載されている情報(部署や役職など)から会話のきっかけを作れるからです。
名刺に特徴的な要素(ユニークなデザインや香りなど)があれば、それ自体が話題となり、会話が自然と弾むこともあります。名刺交換は単なる情報交換ではなく、良い関係づくりの第一歩としても機能するわけです。
商談後のフォローアップを促進する
名刺に記載された連絡先を活用できれば、適切なタイミングでメールや電話でのフォローも可能です。「前回お話いただいたプロジェクトの進み具合はいかがですか?」と具体的な話題に触れる連絡は、だれでもすぐに取れるアクションです。
たった一言だけだとしても、お客様は「しっかり覚えていてくれた」と好印象を持ち、信頼関係を強めるきっかけとなります。半年ぶりに連絡したとしても、前回の話題を覚えていれば、関係性が途切れにくくなるのです。
営業の名刺交換で信頼を築くための6つのマナー

名刺交換は、営業の基本中の基本として知られていますが、意外にマナーを学ぶ機会はありません。ここで改めて、最低限覚えておきたい以下に挙げた6つのマナーを確認しておきましょう。
立ち上がって両手で名刺を渡す
まず、営業で名刺を渡す際は、必ず席を立って両手で渡すのが基本です。
- 名刺入れから名刺を取りだす
- 名刺入れの上に置いてから両手で持つ
- 胸の高さで相手に差し出す
このとき、名刺の文字が相手から見て正しく読める向きになるよう注意しましょう。狭い場所でどうしても立てない場合は、「申し訳ありません、スペースの関係で」と一言添えてから渡すと丁寧な印象を与えられます。
相手の名刺を丁寧に受け取る
相手から名刺を受け取る際には、両手で「頂戴します」と言いながら丁寧に受け取ります。受け取った名刺は、自らの目の高さで一度しっかりと見て内容を確認してください。
相手を知るための場であるマナーを守れるほか、名前を復唱しておけば読み方が正しいかも確認できます。このとき、名刺の端を持って、指紋などで汚さないようにしておくのもマナーの1つです。
名刺交換時に自己紹介を簡潔に行う
名刺を渡す際には、「〇〇会社の△△と申します。本日はよろしくお願いいたします」といった簡潔な自己紹介を添えるのがベターです。自己紹介は長すぎず短すぎず、相手が自らの名前と会社名を理解できる程度にとどめておくとくどくなりません。
自己紹介の場ではありますが、名刺交換の場は詳しい自己PRをする場ではありません。もし、伝えたいことがあるなら、例えば自らの名前の読み方が難しい場合は、「”山鳥”と書いて”やまどり”と読みます」のように補足すると親切です。
受け取った名刺を大切に扱う
受け取った名刺は商談テーブルの上に丁寧に置き、決して折り曲げたり、落としたり、書き込んだりしてはいけません。相手への敬意を示すためにも、名刺は相手の分身と考えて丁重に扱うべきです。
1対1の商談の場合、自分から見て左側に名刺入れを置き、そのうえに受け取った名刺を重ねるのが基本的なマナーです。これにより、「名刺を大切に扱っています」というメッセージを伝えられます。
もし、複数人から名刺を受け取った場合は、相手が座っている席の順番通りに名刺を並べると良いでしょう。
相手の目を見て会話する
名刺だけを見て相手の顔を見ないと、「人よりも名刺の情報に興味がある」という印象を与えかねません。まずは相手の目を見て挨拶し、その後で名刺の内容を確認します。
このとき、
- 名刺交換時に下を向いていたり、そわそわしたりする営業担当者
- 相手の目をしっかり見て穏やかに対応する担当者
後者が良い印象を与えるのは明らかです。
人は表情や振る舞いといった言葉以外の要素からも相手の人柄や信頼性を判断します。緊張していても、相手の目を見て明るく挨拶しましょう。
複数人の場合は役職順に交換する
よく迷ってしまうのが、複数人での場でどのように名刺交換を行ったら良いか、ではないでしょうか。複数人での名刺交換の場合、役職が高い順に行うのがマナーです。
- 自社の上司・先輩から先方の上司へ
- 次に自分が先方の上司へ
- 最後に先方の部下へ
上記のように交換するという流れが、基本となります。このルールを知らないと、「あの人は礼儀知らずだ」という印象を与えかねません。
もし順番がわからない場合は、焦らず周囲の様子を見て判断する、または事前に上司や同僚に聞いておくと良いでしょう。
【関連記事】個性的で印象に残る名刺とは?おすすめの作成方法を徹底解説
営業が絶対に避けるべき4つの名刺交換のNG行動

営業活動において、以下の名刺交換に関するNG行動は絶対に避けるべきです。いずれにおいても基本のマナーを守れておらず、相手への印象が悪くなるからです。
- テーブル越しの受け渡し
- 名刺の上に物を置く
- 受け取った名刺をポケットにしまう
- 名刺情報を確認せずに交換だけを済ませる
例えば、ポケットにしまうと、「名刺はもう用済み」というメッセージに受け取られかねません。商談が終わるまでは、テーブルの上に置いておくのがマナーです。
細かいかもしれませんが、古くから付き合いがある相手ほど敬意の欠如と捉えられるため、十分注意が必要です。
営業担当者が実践すべき5つの名刺の活用法
名刺は、交換して商談が済めばそれで終わりというビジネスアイテムではありません。その後に、名刺だからこその活用を意識するだけで、あなたの営業成果を高められます。
名刺交換後すぐにフォローメールを送る
名刺交換から24時間以内にフォローメールを送ることで、相手の記憶に残りやすくなります。「本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました」といった簡潔な内容で十分ですが、何よりスピードが大切です。
展示会などで名刺交換した場合、翌日にメールするのと1週間後にメールするのでは、アポイントメント獲得率に差が出ます。単純に、人の記憶は時間とともに薄れていくからですね。ここで送るフォローメールでは、次回のアクションを提案するのも良いでしょう。
名刺に会った日時や話題をメモする
名刺の裏面や専用のメモ欄に、会った日時や話した内容、相手の特徴などをメモしておけば、次回の商談時に役立てることができます。メモする内容としては、
- 初回面談:2025年5月9日
- 趣味はゴルフ
- 子供の進学で忙しいと話していた
などの情報が有効です。この情報は、次回の会話のきっかけとなります。
「前回、お話をいただいたお子さんの進学はうまくいきましたか?」などと話しかければ、「よく覚えていてくれたね」と好印象を持ってもらえるといった具合です。
定期的に名刺情報を見直して連絡を取る
名刺情報を定期的に見直し、継続的に連絡を取ることで、長期的な関係構築が可能になります。たとえ、「半年ぶりにご連絡します」という形でも、前回の会話を覚えていれば相手に「覚えていてくれた」という印象を与えられます。
見直しの頻度は業界や商品によって異なりますが、一般的には3か月に一度程度が適切です。あまりに頻繁だと「しつこい」と思われる可能性があり、逆に間隔が空きすぎると「忘れられた」と感じさせてしまうかもしれません。適度なタイミングは、上司や同僚、そして自らの経験で掴みましょう。
SNSでつながりを深める
名刺に書かれている名前でSNS検索を行い、ビジネス用SNS(LinkedInなど)でつながることで、関係を深めることができます。SNS上での交流は、直接的な営業活動よりも自然な形で関係を構築できるメリットがあります。
ただし、プライベート色の強いSNS(個人的なFacebookなど)への無断でのフレンド申請は避けるべきです。ビジネス目的であることを明確にし、相手の同意を得たうえでつながるのがマナーです。
顧客の誕生日や記念日を祝う
名刺情報と合わせてお客様の誕生日や記念日などの個人情報を(適切な方法で)管理しておくと、特別な日にお祝いのメッセージを送ることができます。お客様の誕生日にメールや手書きのカードを送ると、「覚えていてくれたのか」という驚きと共に、好印象を持ってもらえます。
業界を問わず、ビジネスの世界でも「人は感情で動く存在だ」ということを忘れてはなりません。親しくなれば、会社の創立記念日や就任記念日など、業務関連の記念日を祝うのも良いでしょう。
営業成果を高める5つの名刺デザインのポイント

名刺のデザインは、あなた自身と会社の印象を大きく左右します。もし、作り直したり、新しい部署での利用を検討しているのであれば、以下の5つのポイントを押さえて、名刺を作りましょう。
業種に合わせたデザインを選ぶ
営業と一口にいっても、業種によってイメージは異なります。どのような印象を持ってもらいたいのかを検討し、自分が携わっている業種に合った名刺デザインを選ぶのが基本です。
広告やWeb制作などクリエイティブな業種の場合、インパクトのあるデザインを選ぶといった具合です。「自らの業種はどのような印象を与えるべきか」、「どういう印象を与えたいか」という視点で選ぶことが、印象を高めて営業成果を高めるポイントとなります。
【関連記事】おしゃれな名刺でビジネスチャンスを生み出そう!こだわりポイントや意外な使い方を紹介
自らの顔写真や似顔絵を入れる
営業においてお客様との信頼関係を築くためには、自らの顔を覚えてもらうことも大切です。このとき、名刺に顔写真や似顔絵を入れることで、相手の記憶に残りやすくなります。
顔写真や似顔絵があると、複数の営業マンと会った相手でも「あ、この人だ」と思い出してもらいやすくなります。写真を使用する場合は、プロのカメラマンに撮影してもらうなど、質の高いものを使用するのがおすすめです。
インパクトのあるキャッチコピーを記載する
名刺には名前や連絡先だけでなく、会話の話題になりそうなキャッチコピーを記載しておくのも1つの戦略です。これにより、相手の目を引くだけでなく、コミュニケーションのきっかけを作ることもできます。
もちろん、キャッチコピーは必須の項目ではありませんし、さらには内容も仕事に直結したものである必要はありません。「ワイン愛好家」「マラソン挑戦中」などプライベートな趣味や特技を入れることで、共通の話題を見つけるきっかけにすると考えてください
肩書等の情報を見やすく配置する
名刺の情報は見やすく整理してあると、相手も読みやすいです。少なくとも、デザインの4原則(近接・整列・強弱・反復)を意識して、情報を整理しましょう。
- 近接 → 関連する情報(会社ロゴ、会社情報、個人情報など)をグループ化して配置する
- 整列 → 情報を左そろえや中央そろえなど、一貫した方向にそろえることで統一感を生む
- 強弱 → 情報の重要度に応じてサイズや太さ、色を変えて優先順位を明確にする
- 反復 → 同じデザイン要素(アイコンや線など)を繰り返し使う
名刺の情報配置は「いかに相手に情報を伝えやすくするか」という視点で考えるものです。とはいえ、デザインに自信がない、もしくは悩んだときはテンプレートやデザイナーへの依頼も検討してみると良いでしょう。
手触りや質感にこだわる
名刺は見た目だけでなく、触れるものでもあります。紙の質感や厚み、特殊加工などにこだわれば、ほかの営業担当者と差別化できます。
極端な話ですが、A4のコピー用紙のような「無理やり作った名刺」を受け取ったら、あなたは相手に何を思うでしょうか。おそらく、良い印象は持たないはずです。
- エンボス加工(凹凸をつける)
- 箔押し(金や銀などの金属的な輝きを出す)
- マットPP加工(しっとりとした手触り)
などのほか、最近では香りを添えられるようにもなりました。手に取ったときに「普通の名刺と違う」と感じてもらい、あなたの印象を強く記憶に残しましょう。
営業の名刺には香り付き名刺がおすすめ

人間の五感の中で、嗅覚(きゅうかく)は記憶と結びつきやすい感覚だといわれています。香り付き名刺は、視覚と嗅覚の両方に訴えかけるため、通常の名刺よりも記憶に残りやすいのが最大の特徴です。
「あの香りの良かった営業マンだ」と覚えてもらえれば、ほかの営業担当者との差別化になりますし、「いい香りですね」といった反応が自然な会話のきっかけとなることも少なくありません。
プルーストでは、オプションでデザインの一部だけに香りをつけることもでき、印象的な名刺作りが可能です。興味があれば、ぜひ香り印刷所「プルースト」へお問い合わせください。
【関連記事】香り名刺とは?作り方からメリット・デメリットまで解説
まとめ
名刺は単に相手と連絡先を交換するだけではなく、営業活動において多様な役割を果たすアイテムです。適切なマナーで交換し、活用できれば、あなたも営業成果を向上させることができます。
数多くの企業が相手の元を訪れているのだれば、香り付き名刺のような新しい要素を取り入れて、相手の記憶に強く残しながら差別化を狙うのも今後は必要となるはずです。
名刺交換は営業の基本中の基本ですが、その重要性は決して小さくありません。香り付き名刺に興味を持たれた方は、香り印刷所「プルースト」にぜひご相談ください。
よくある質問(FAQ)
名刺を渡さないのは失礼ですか?
基本的に、ビジネスの場で名刺を持参せず、渡さないことは失礼にあたります。持参していないことは準備不足と見なされるため、ビジネスの場面では常に名刺を用意しておくことが大切です。
ただし、すでに関係が築かれている相手や、カジュアルな場での出会いなど、状況によっては名刺交換が必須ではないケースもあります。判断に迷う場合は、「本日は名刺をお持ちでしょうか?」と尋ねてみると良いでしょう。
名刺を忘れた時はどうしたらいい?
名刺を忘れた場合は、まず正直に「申し訳ございません、本日は名刺を切らしておりまして」と伝えるのがマナーです。そのうえで、自らの名前と会社名をはっきりと伝え、可能であればメモに連絡先を書いて渡すと良いでしょう。
「後日、名刺をお送りいたします」と伝えておくと誠意が伝わります。名刺を忘れた場合でも、相手の名刺はしっかり受け取り、「頂戴します」と言いながら両手で受け取るマナーは変わりません。
名刺を渡すタイミングっていつ?
基本的に、初対面での挨拶の直後が名刺を渡す最適なタイミングです。「はじめまして、〇〇会社の△△です」と自己紹介したあと、すぐに名刺を差し出すのが良いでしょう。
また、会議や商談の場では、着席する前、つまり立った状態で名刺交換を行うのがマナーです。展示会やイベントなど立ち話の場合は、会話が少し進んで「お話をもう少し詳しくお聞きしたいです」といった段階で名刺交換するのが自然です。
名刺を渡すのはどちらが先ですか?
一般的には、訪問する側(営業側)が先に名刺を渡すのがマナーです。「おうかがいした者からまず名乗るべき」という考え方にもとづいています。上下関係がある場合は、目上の人が先に名刺を出すのを待つのが基本です。
ただし、明らかに年齢差がある場合でも、訪問する側が先に名刺を出します。もし相手が先に名刺を差し出してきた場合は、「申し遅れました」と一言添えて自らの名刺を差し出すと良いでしょう。
香りの印刷所プルースト編集部
この記事は、香りの印刷所プルーストを運営している久保井インキ株式会社のプルースト編集部が企画・執筆した記事です。
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