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香り印刷とは?こすると匂いがする仕組みから製品例まで完全解説

コラム 2025.1.1

人間の記憶の中でもっとも印象に残りやすいのが「香り」だということをご存知でしょうか。香りは視覚や聴覚よりもより深く脳に刻まれるほか、香りから記憶を呼び起こすプルースト効果という言葉を聞いたことがある人も多いでしょう。

この「香り」の特性をいかした印刷技術が「香り印刷」です。従来の印刷物に香りという新たな価値を加えることで、差別化しながら訴求力を高めることができます。

本記事では、香り印刷の基礎知識から具体的な活用方法、費用の目安まで解説します。「従来の販促物では思うような反響が得られない…」「競合他社との差別化が難しい」「お客様の記憶に残る印象的な販促ツールが欲しい」とお考えの方はぜひ参考にしてください。

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香り印刷(香料印刷)とは

香り印刷(香料印刷)とは、通常の印刷物に香りを付加する印刷技術のことです。特殊な香りインキを使用して、印刷物に心地よい香りを添えて嗅覚にも働きかけることで、より強い印象を与えることができます。

香りインキを使うだけで実現できるため、これまで利用していた販促物やDM、名刺、カタログなど、幅広い印刷物に活用できます。例えば、食品関連の印刷物に食材の香りを付けることで、より魅力的な訴求が可能になるなどです。

プルーストでも、特殊なカプセルを含有した香りインキを使って香り印刷の製品を販売しています。弊社を例に、香りがどのように印刷されているのかも紹介します。

香り印刷の仕組み

香り印刷は、微細な香料をカプセル化して特殊インキに配合し、印刷物に塗布することで香りを閉じ込めた状態を作り出す仕組みです(プルーストの場合)。印刷された部分を指でこすると、マイクロカプセルが破裂して香りをその場で感じられます。

カプセルは小さく、肉眼では確認できないほどですが、劣化を防ぎ長期保存が可能です。複数の香りを組み合わせることで、より複雑で魅力的な香りを作り出すといった技術もあるため、バリエーションも豊富です。

香り印刷の効果

香り印刷は、五感の中でも特に記憶と結びつきが強い「嗅覚」に働きかけることで、以下のような効果が期待できます。

  • 商品やブランドの記憶定着率が向上
  • 購買意欲の促進
  • 商品やサービスへの好意的な印象形成
  • 他社との差別化
  • 顧客とのコミュニケーション機会の創出
  • 商品の特徴や魅力をより具体的に伝達

特筆すべきは、香りによる記憶への影響力です。人間の記憶は、視覚情報が約35%、聴覚情報が約25%保持されるのに対し、香りの記憶は約65%も保持されると言われています。

つまり、香り印刷を活用することで、通常の印刷物の2倍近い記憶定着効果が期待できるのです。さらに詳しい効果や活用事例については、「香りのメリットを論文から徹底解説!ビジネスを成功へ導く活用法」をご覧ください。

香り印刷は従来の印刷物と差別化できる

香り印刷は、視覚と嗅覚の両方に訴えかけることで、従来の印刷物と明確に差別化できます。人間の記憶は五感と密接に結びついており、特に香りは感情や記憶に直接影響をことが科学的にも証明されているからです。

従来の印刷物は視覚情報のみに頼っていたため、情報過多の現代社会では埋もれてしまいがちでした。しかし、香り印刷を活用できれば、受け取った人の印象に強く残り、商品やサービスの認知度向上に貢献します。

実際、香りを活用したマーケティングは、小売業や不動産、ホテル業界など、さまざまな分野で注目を集めています。こうした香りビジネスは、ブランドイメージの向上や購買意欲の促進にも効果があることが報告されており、新しい販促手法として急速に普及が進んでいます。

気になる市場規模

香りマーケティングの世界市場規模は、2021年時点で約1,500億円に達し、年平均成長率は8%以上と予測されています。化粧品業界、食品業界、アパレル業界などでの採用が増加しており、2025年までには市場規模が2,000億円を超える見込みです。

日本市場では、香り印刷技術の進歩、そして企業のマーケティング戦略の多様化により、急速な成長が見込まれています。成長を後押しする要因として、消費者の体験価値重視の傾向や、企業の差別化戦略の多様化が挙げられます。

香り印刷は、ニーズに応えるソリューションとして、今後さらなる市場拡大が期待できるでしょう。詳しくは、ぜひ下記ページもご覧ください。

【関連記事】:香りの市場規模は?業界別の市場とビジネスへの必要性も紹介

香り印刷が持つ3つの特徴

ここからは、香り印刷が持つ代表的な特徴を3つ紹介します。

強く印象に残る

香り印刷の特徴は香りが記憶や感情を呼び起こす現象、プルースト効果によって強く記憶に残ることです。視覚情報だけの従来の印刷物と比べ、香り印刷された販促物は受け取った人の記憶に長く留まります。

例えば、コーヒーの香りを付けたパンフレットは、その香りを嗅いだ瞬間に、心地よい朝の時間や落ち着いたカフェでの経験を想起させ、良い感情とともにブランドを記憶に刻みます。このように、香りを通じて感情に訴えかけることで、より深い印象づけが可能です。

【関連記事】:プルースト効果ってどんな現象なの?活用できる方法と一緒に解説

香りが長く続く

香り印刷の技術は、長期間香りを保持できるように設計されています。プルーストを例にすると、特殊なマイクロカプセル加工を採用し、香りが徐々に放出される仕組みを実現して長期間持続できるように作っています。

従来の香り付け手法と異なり、香り印刷では香りの強さや持続時間を一定に保ちやすいです。そのため、展示会での配布物や店頭POPなど、長期使用を想定した販促物にも選びやすいでしょう。持続時間については、下記ページもご覧ください。

【関連記事】:香り付きアイテムの持続時間はどれくらい?香りを長持ちさせる方法は?

ビジネスに活用できる

香り印刷は、名刺やDM、カタログ、パッケージなど、あらゆる印刷物に香りを付加することが可能で、商談を含むさまざまなビジネスシーンで活用できる柔軟性を持っています。

特に商品PRやブランディング、例えば化粧品や食品、アロマ製品などの香りを重視する商品では、実際の商品の香りを印刷物で再現して、より説得力のある販促活動を実現できます。また、企業や商品のイメージに合わせた香りを選ぶことで、ブランドの個性を表現することも可能です。

【関連記事】:商談における香りの重要性とは?おすすめの香りについても解説

香り印刷の代表的な製品

ここからは、実際に香り印刷を活用できる代表的な製品を6つ紹介します。

名刺・カード

香り印刷を施した名刺やカードは、通常の名刺交換では得られない、五感に訴えかける独特の体験を提供できるのが特徴です。例えば、アロマセラピストの方が癒しの香りを付けた名刺を使用することで、サービスの特徴を体感的に伝えることができます。

また、レストランやカフェのショップカードに料理やドリンクの香りを付けることで、お店の雰囲気やメニューの魅力を印象的にアピールできるでしょう。香りは記憶と密接に結びついているため、香り付き名刺は相手の記憶に長く残り、ブランドイメージの向上やリピーター獲得にも効果的です。

【関連記事】:差別化をしたい方におすすめ!印象に残る香りつき名刺とは

はがき

香り印刷を施したはがきであれば、視覚と嗅覚の両方に訴えかけることで、通常よりも強い印象を残すことができます。季節のご挨拶やイベントの告知、キャンペーンの案内など、さまざまなシーンで活用できます。

例えば、春のDMに桜の香りを付けることで、季節感とともにメッセージを印象的に伝えるなどです。香りによって受け取った人の興味を引き、アクションを促すことができれば返信率の向上も期待できます。

【関連記事】:はがきに香りづけする方法と活用法-香り印刷で手軽に取り入れる

DM・チラシ

香り印刷を活用したDMやチラシも、開封率や読了率の向上が期待でき、販促ツールとして効果的です。DMに実際の商品の香りを付けることで特徴を直接体験してもらったり、料理の香りを付けて食欲を刺激したりするなどです。

特に大量配布を行う場合でも、香りが長期間持続する特殊な印刷技術により、効果を維持できます。受け取った人の印象に残りやすく、小ロットからでも対応できる印刷所ならさまざまなパターンも試せるでしょう。

【関連記事】:香り付きDMで販促と印象アップ|活用方法や選び方を解説

シール

香り印刷されたシールは、商品パッケージやノベルティとして使用することで、ブランドの差別化を図ることができる製品です。従来の印刷物から変更できない場合でも、シールを貼り付けるだけで差別化要素として機能します。

また、子供向け商品のおまけとして香り付きシールを使用すると、商品の付加価値を高めることもできるでしょう。そのほか、コレクション性のある商品や、リピート購入を促したい商品との相性も抜群です。

【関連記事】:香り付きシールで生活をより豊かにしよう!おすすめの使い方を紹介

しおり

香り印刷されたしおりは、本を開くたびに漂う香りで読書の楽しみをさらに深めてくれます。書店のノベルティとして香り付きしおりを配布すると、来店促進や顧客満足度の向上にもつながります。

また、図書館や学校での読書推進ツールとしても効果的です。ロマテラピー関連の書籍や、香りに関連する商品のプロモーションツールとしても選べるでしょう。

【関連記事】:今話題の香り付きしおりを紹介!メリットは?どんな使い方がある?

ノベルティ・オリジナル製品

香り印刷を活用したノベルティやオリジナル製品は、従来にない体験を提供することで受け取った人の印象に強く残ります。例えば、展示会やイベントでの配布物に香りを付けることで、ブースへの集客や商談のきっかけづくりに活用するなどです。

また、季節限定の販促物として香り付きカレンダーやポストカードを制作した場合、シーズン性のあるプロモーションが可能です。オリジナリティのある香り印刷製品は、競合との差別化を図る武器となるでしょう。

【関連記事】:ノベルティには香り印刷がおすすめ!香りの種類や使い方を紹介

香り印刷で使われる香りの種類

香り印刷では、さまざまな種類が用意されているため、ビジネスシーンや商品特性に合わせて最適なものを選択できます。以下は、弊社プルーストが取り扱う香りを例としてまとめました。

  • 清楚なラベンダーブーケ
  • ぎゅっとしぼる鮮烈レモン
  • 沸きたつ芳醇ローズ
  • 甘美な誘惑バニラ
  • 朝摘み果汁いちご
  • 一粒のミントタブレット
  • 木漏れ陽のヒノキロード
  • 青春のりんごジュース
  • ゆらぎのアロマキャンドル
  • 凛とクールジャスミン
  • 草原のワイルドユーカリ
  • 晴れた午後のひだまり
  • 懐かしの白い石鹸

香りの選定は、ターゲット層や用途、季節感なども考慮して決定しましょう。せっかく購入しても合わなかったり、相手に好まれなかったりするなどは避けたいところです。詳しくは、ぜひ下記ページもご覧ください。

【関連記事】:【分類別一覧】香りの種類とそれぞれの違いについて

香り印刷にかかる費用の目安

香り印刷の導入を検討する際、もっとも気になるのが費用面ではないでしょうか。具体的な料金例として、プルーストの名刺を例にすると、以下のような価格帯となります。

枚数 片面印刷(税込) 両面印刷 ※香りはオモテ面のみ(税込)
100 4,158円 4,785円
200 7,260円 9,075円
300 9,900円 12,375円
400 12,760円 15,950円
500 13,750円 17,188円
600 15,180円 18,975円
700 16,555円 20,693円
800 17,600円 22,000円
900 18,810円 23,513円
1,000 19,800円 24,750円

例:コート紙180kgを使用し、清楚なラベンダーブーケの香りを付けた名刺の場合

ただし、参考価格であり、実際の費用は以下の要因によって変動します。

  • 印刷サイズや用紙の種類
  • 香りの種類や数
  • デザインの複雑さ
  • 印刷部数
  • 納期の指定

香り印刷は通常の印刷物と比べると割高に感じるかもしれませんが、五感に訴えかける独自の販促効果を考えると、費用対効果は高いといえます。特に、ブランドイメージの向上や商品の認知度アップを目指す場合には、投資する価値のある印刷手法となるでしょう。

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香り印刷のパイオニアとして、プルーストは数多くの企業様の販促支援を手がけてきました。印刷会社としての確かな技術力と、香り印刷における豊富な実績を組み合わせることで、お客様1人ひとりのニーズに合わせた最適なソリューションをご提案いたします。

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まとめ

香り印刷は、人間の記憶の65%が香りによって形成されるという特性を活かし、視覚と嗅覚の両方に訴えかけることで、従来の印刷物に価値を加える販促手法です。

名刺からDM、ノベルティまで、さまざまな販促ツールに応用可能であり、業種や目的に応じて、最適な香りと印刷方法を選択できます。今後の販促活動に香り印刷を取り入れる際は、以下のステップを検討しましょう。

  • まずは小ロットでテスト導入し、効果を検証
  • ターゲット層に合わせた適切な香りの選定
  • 季節感や商品特性を考慮した展開計画の立案

五感に訴えかける販促手法として、香り印刷は市場での競争優位性を生み出します。従来の印刷物に満足できない企業にとって、香り印刷は新たなマーケティングの扉を開く鍵となるでしょう。

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この記事を企画・執筆した人
香りの印刷所プルースト編集部

この記事は、香りの印刷所プルーストを運営している久保井インキ株式会社のプルースト編集部が企画・執筆した記事です。
香りの印刷所プルーストでは、香りの印刷をテーマにお役立ち情報の発信をしています。

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